2013年09月24日

言葉の変化

 年に一回くらい、新聞などに 本来と違う意味の擬態語、3人に1人使用「きんきんに」などという、記事が載ります。
 これによると、「きんきんに」の「本来の意味」は、「声が高く不快に響くさまなどを示す擬態語」なのですが、「きんきんに冷えたビール」と「本来の意味と違った使われかたをされている」のだそうです。
 自分は「きんきんに冷えているビール」という言葉は使った事がありませんが、かなり昔から聞き慣れています。一方、「きんきん声」という単語はたまに見ますが、「本来の意味」らしい、「きんきんに」という言葉で「声」を修飾した表現など、見たことがありません。
 そんな事を言うなら、「あわれ」も「おかしい」も、紫式部や清少納言が使っていた「本来の意味」から比べると、180度くらい意味が変わっています。しかしながら、それを「本来の意味と違う使われ方をしている」などという人はいません。
 実際に言葉の使われ方が変わっているわけです。にも関わらず、あたかも多くの人が間違えているみたいな文化庁の発表ならびに、それをそのまま記事にするマスコミの感覚には大いに疑問があります。
 単に、「きんきんに」は、かつては声を修飾する言葉だったが、現在はビールの冷たさを表す言葉に変わった、とすればいいだけの話なのでは、と思いました。

2013年09月24日 23:29