2013年07月02日

乗客の機転>運転士の急死?

 高速道路で観光バスの運転士が、運転中に急死する、という事件がありました。幸い、異常に気づいた乗客の機転で、バスは停止し、二次災害は防げたとのことです。
 これに関する各社のニュースを見ていて、かなりの違和感がありました。各社とも、「バスを止めた乗客」が主役となっているのです。
 確かに、その乗客の機転がなければ、さらなる死傷者が発生していたわけです。それを考えれば、確かにバスを止めた方々の活躍は確かに称賛に値します。
 しかしながら、この件においての最大の問題は、「業務中の運転士さんが急死した」という事にあります。それさえなければ、「乗客の機転」など一切必要ではありませんでした。
 特に、朝毎読三社は、「運転手、意識失う。乗客が…」といった見出しを出していました。そして本文中で、「運転士は死亡したが、乗客には怪我がなかった」という趣旨の書き方をしています。
 「バスの運転手が業務中に突然死」というのは、様々な意味において、異常かつ危険な事です。しかし、何度発生しても、それを防ぐべく、バス運転士の健康管理を厳格化する、などという流れにはなりません。
 その異常さを周知させないために、わざと「乗客の機転」を中心に据えたのだろうか、とまで思えた、奇妙な報道でした。

2013年07月02日 22:21