2013年05月27日

改めて不要ぶりを感じさせられた「審議委員会」

 大相撲夏場所で稀勢の里関が13勝を挙げて準優勝しました。13日目までは連勝していたものの、14日目に白鵬関との全勝決戦に敗れ、千秋楽も負けています。準優勝は準優勝でも、終わってみれば2勝差だったわけです。
 ところが、その翌日、横綱審議委員会の委員長氏が「優勝ができなくて14勝ということになっても(話が)上がってくると思う」。「名古屋場所で14勝」を綱とりの条件に示した。と言ったという報道が流れました。

 確かに、横綱の昇進基準は「2場所連続優勝かそれに準じる成績」です。したがって、言葉の上では2場所連続準優勝でも上がれます。
 しかし、かつてその「連続準優勝」で横綱になった双羽黒関(当時)は、その本人に何ら責任のない「優勝しないで横綱になった」という事で、昇進後にバッシングを受けました。
 さらに、親方の非常識な言動もあり、若くして相撲界を去らざるを得なくなった、という悲運の力士になってしまいました。
 それを機に、この基準の厳格化が行われ、貴ノ花関(当時)のように、14勝1敗で優勝した翌場所に13勝2敗で決定戦に出た末の準優勝でも横綱昇進を見送られた、という事例もあったほどでした。

 確かに、ここ15年ほど、日本人の新横綱が出ていません。したがって、感情論として「少々成績が良くなくても早く日本人に横綱になってほしい」という思いを持つ人が出るのは解ります。
 しかしながら、それを「横綱審議委員会の委員長」が言うのは、明らかにおかしい話です。
 かつて自分が相撲を熱心に見ていた頃、常に横綱審議委員会の偉い人は、質の低い話ばかりしていました。今回、久々に「横審委員長」の談話を見たわけですが、相も変わらずの「横審クオリティ」に改めて呆れ果てました。

2013年05月27日 22:50