2013年08月13日

「無料」の表示とそれによるリスク

 とあるメーカーのPCを初期設定しました。プリインストールで30日だか60日だかの限定版のウイルス対策ソフトが入っていました。まあ、どのメーカーでもやっている事です。
 立ち上がると、そのウイルス対策ソフトの画面が大きく表示され、設定をうながす画面が出て来ました。そこには「無料」と書いてあります。
 確かに、1~2ヶ月は無料です。しかし、そこから継続して使うには、費用が発生します。
 しかしながら、PCに慣れていない人には、そんな理屈はわからないでしょう。最初に「無料」とあったから、と思い、更新の支払い請求の画面が出ても、無視する人がいてもおかしくありません。

 そこで思い出したのが、最近よく報道されたり、銀行からメールが来ている、「ネットバンキングの偽物サイトによるフィッシング詐欺」の件でした。
 ウイルス対策がされていないPCで、改ざんされたサイトにアクセスする事により、PCが感染してしまうというものです。その状態で、銀行のサイトを開こうとすると、偽サイトに誘導されて、パスワードを奪われてしまいます。
 なんで普通に市販されているPCにウイルス対策ソフトがプリインストールされている時代に、これだけ未対策のパソコンがあるのだろうか、とちょっと不思議に思っていました。
 しかしながら、この「無料」表示を見た時は、ウイルス対策ソフトメーカー側にも問題があるのでは、と思いました。
 自社の製品を使ってもらうために、なるべく低価格感を持たせたい気持ちは解ります。しかしながら、やはりそれによってユーザーを誤解させるような表現を用いるのはやはりおかしい話です。
 儲けるのが重要なのは当然です。しかしながら、ウイルス対策メーカーである以上、もっと「利用者のPCを安全に保つこと」を重視してほしいものだ、と思いました。

2013年08月13日 19:32