2013年03月16日

12億円かけて壊したバカ「の壁」

 当サイトにはつれづれの乗り換え案内という、都内の地下鉄の乗り換えガイドみたいな付属ブログがあります。
 ここのところ忙しくて更新できていないのですが、おかげさまで、「題材にした駅名+乗り換え」でググると、七割がたは検索結果の1ページ目に表示されています。
 その記念すべき、一番最初に取り上げた駅は九段下でした。実は、そのブログを立ち上げた原因として、とある人が九段下における東西線と半蔵門線の便利な乗換方法を知らずに、えらい遠回りをしていた、というのがありました。
 そのような誤解を解くために、乗換駅の便利度を分かりやすく解説しようと思ったのです。

 ただ、その中において、九段下での半蔵門線と都営新宿線の乗り換えは、ほとんど書いていませんでした。
 理由は簡単で、この両線は、基本的に神保町で乗り換えたほうが効率がいいからです。
 九段下には都営新宿線の急行が止まりません。しかも、この二線は隣の神保町まで並走しています。
 したがって、九段下で乗り換えたほうがいいのは、半蔵門線の渋谷方面→都営新宿線の新宿方面行き普通電車だけなのです。

 ところが、そのあまり必要性がない、「九段下における半蔵門線と都営新宿線の乗り換え」に大騒ぎした都知事がいました。
 その結果、12億円もの都税を費やして、両線の九段下での乗り換えが「改善」されました。
 当然ながら、唯一便利になった乗り換えは、その「半蔵門線の押上方面行き→都営新宿線の新宿方面行き普通電車」だけでした。
 構造上だけ言えば、逆の「都営新宿線の新宿方面行き普通電車→半蔵門線の押上方面行き」という乗り換えも便利にはなっています。しかしながら、そのような乗り換えをすると、神保町と九段下の間を無駄に位置往復する事になってしまいます。
 したがいまして、脚が不自由な方など、階段での移動が困難な人を除けば、そのようなな乗り換えをする人はいません。
 もちろん、脚の不自由な人に配慮することは大切です。しかしながら、12億円を使うなら、都営新宿線→半蔵門線で不便を被っている人の何十倍もの脚の不自由な方の負担を軽減できる方策が存在したのではないでしょうか。
 今回の工事を決定した都知事は、それまで半蔵門線と都営新宿線のホームを隔てていた壁を「バカの壁」と呼んでいたそうです。しかしながら、この12億円の税金投入の費用対効果を考えれば、「バカ」なのは壁の存在よりも、無理やり壁を壊した人なのでは、と言わざるを得ないな、と思いました。

2013年03月16日 23:15