2013年01月17日

「怒れば正義」世代?

 半年ほど前、自分が10代の頃大人気だった少年ジャンプの基本概念について書きました。それは、主人公は怒りによって最強の力に目覚め、難敵を倒すというものでした。
 つまり、「怒る」という事が多くの主人公に共通する「究極奥義」だったわけです。
 そのような漫画が大人気だった我々世代には、そのような考えに影響された人も少なからずいたかもしれません。
 特に、最近、連日のように「怒って」、意味不明の「制裁措置」を発表している大阪の市長さんを見ていると、その思いが強くなります。
 彼は日頃から「体罰」を容認する発言をしまくっていました。そのお膝元の市立高校で「体罰」が原因で自殺者が出たわけです。
 おとなしくしていれば、日頃の「体罰」容認発言が批判を浴びるのは自明です。そこで、彼の行った「対策」は、怒りまくって学校を糾弾し、自分のこれまでの発言を誤魔化す事だったわけです。
 実際問題として、「怒り」で「正しい事」が成し遂げられる、などという事はありません。
 先述したジャンプのヒーロー達も、「怒り」の力で誰かを救う、などという事はありませんでした。ただ、その力で、敵を惨殺しただけです。
 そのような「怒りによって『正義』を実現させるヒーロー」が栄えていた時代に育った人が、それを極めて醜悪な形で具現化した「ヒーロー」になってしまったわけです。何とも皮肉な話だな、と思いました。

2013年01月17日 23:56