2012年08月06日

「怒り」の効能

[ 漫画 ]

 10代から20代の頃、週刊少年ジャンプに掲載されたバトル漫画が大ヒットしていました。それらの人気作品に共通した盛り上げ方がありました。それは、「主人公が怒ると、これまで以上の力を出し、難敵に勝利する」というものです。
 「北斗の拳」のケンシロウは怒りが頂点に達すると筋肉が膨張し、着ていた服を破り、驚異的な力を見せました。「ドラゴンボール」の孫悟空も、怒りが頂点に達した時にスーパーサイヤ人になり、フリーザを倒したものでした。
 しかしながら、人は怒りの感情に表を出せば、最善の力を出せるのでしょうか。
 実際問題、ケンシロウも孫悟空も、そして他の20世紀ジャンプ漫画の主人公たちも、怒りによって自分のタガを外したわけです。このタガとは、つきつめてみると、「相手を必要以上に傷つけてはいけない」などといった「理性」なのではないでしょうか。それを捨て去る事により、力を増し、その結果、「敵を殺す」という目的を達成したわけです。
 そのように考えていくと、この「怒りにより最大の力を引き出す」というものは、一概に「いいもの」とは言えないのでは、と思わざるをえません。
 なぜこんな事を書いたかと言うと、先日、久しぶりに「怒り」という感情をあらわにしたからです。相手のあまりにも非礼な態度に、ついつい怒ってしまいました。
 しかしながら、その後に自分に残った感情は、20世紀ジャンプ漫画のヒーローが勝った時のような達成感ではありませんでした。むしろ、「なぜ怒ってしまったのだろうか・・・」という後悔のほうが強くありました。
 そんな事を考えているうちに、「ジャンプ漫画のヒーローがなぜ怒ると強くなるのか」という疑問だったわけです。
 いずれにせよ、感情はきちんと制御できなければなりません。自分の未熟さを痛感させられた、苦い思い出になりました。

2012年08月06日 22:28