2013年02月16日

別の意味で衝撃を受けた「事実」

 「遠隔ウイルス」に関する捜査発表が連日報道されています。当然ながら、「逮捕された人が犯人に違いない」と読者・視聴者に思い込ませるための情報ばかりが流されます。
 その中で、先日、「驚愕の事実」が判明しました。
 何と、「真犯人」は逮捕されていた人が派遣先されていた会社のPCを使ってウイルスを作り、さらにはその派遣先の郵便番号を使ってフリーメールアドレスを取得していたとのことでした。
 だから、逮捕された人が真犯人だと言いたいようです。
 この報道を見た時、空いた口がふさがりませんでした。

 自分も7年ほど前、派遣社員みたいな形で働いたことがありました。一応、働いていた建物の町名くらいは知っていましたが、郵便番号など知りませんでした。何しろ、派遣先の郵便番号など、使う必要が全くありません。
 というわけで、もし発表された事が事実ならば、逮捕された人はわざわざ派遣先の郵便番号を調査し、それを用いてフリーメールアドレスを取得したことになります。
 さらに、その派遣先であるIT関連会社で遠隔操作をやっていた、との事です。
 ならば、逮捕された人は、派遣先に勤めているシステム屋さんたちの目をかいくぐって遠隔操作行為を行なっていた、という事になります。もしかして、派遣先の会社は、この逮捕された人のために、管理者権限を自由に使えてネットにもつなぎ放題のPCと、鍵のかかる専用個室でも用意していたのだろうか、などと思いました。
 ちなみに自分が派遣みたいな形で働いた所は、インターネット閲覧も、外部へのメール送信もできないようPCが設定されていましたが・・・。
 こんな不可解すぎる事を、「逮捕された人のミス」という事にして発表する警察も、それをそのまま報道するマスコミも「凄すぎる」と思いました。

 それらを読んでいて思い出しのたのが、天才探偵ポアポア卿という漫画でした。
 この作品は、主人公の探偵「ポアポア卿」が、自分が「推理」した人を密室事件の犯人に仕立てあげる、というギャグです。
 その目的を達成するため、「ポアポア卿」は前日までにはなかった「大きな穴」を密室に作り、さらにその人のサスペンダーを部屋に落とします。
 一連の「警察発表」はこのギャグ漫画を地で行っているような話だと思いました。
 このギャグ漫画を読んだ時はかなり笑ったものでした。しかしながら、同じような事が現実で起きている、という事を知った時は、さすがに笑えませんでした。そして、強い呆れと恐怖感を覚えました。

2013年02月16日 22:51