2012年11月20日

数十年に渡る継続

 TVのゲーム番組で、「ゼビウス」が題材になっていました。このゲームは、10代前半の頃、そこそこハマった時期があります。その後、シューティングゲームはほとんどやらなかったこともあり、自分としては一番プレイ時間の長かったシューティングゲームと言えるかもしれません。
 ということもあって、懐かしさを覚えながら見始めました。しかし、開始早々、唖然となりました。
 ゲームをしている人は、自分と同世代とおぼしき中年男性です。腹の出具合がかなり目立ちますが、それを除けば、どこにでもいそうな普通の人、という感じです。
 しかし、TVに写ったその人のプレイ画面は、想像を絶するものでした。ゲーム画面には、「残機」が表示されています。つまり、何回までなら倒されてゲームを続けられるかを示す表示です。
 ゲーム開始時は確か3機くらいあり、倒されると減りますが、規定の得点をあげたりすると、逆に増えます。  その「残機」をこの人は20くらい保有していました。すなわち、それだけ長い時間やり続け、得点を重ねています。番組では、その人が、このゲームで設定されている最高限度の得点を獲得するのが目的だ、と言っていました。
 画面でプレイを見ましたが、その状況に納得できる腕前でした。稀に死ぬこともありますが、それまでに規定得点に達して残機が増えているので、画面下にある「残機の山」は結果的に減ることがありません。

 ゲームに限った事ではありませんが、かつてどんなに熟達していても、続けていないと腕は落ちます。
 となると、発売後30年経ってもこれだけの技量を誇るこの人は、その間、ずっとゼビウスの練習をし続けていたのだろうな、と思いました。
 漫画「鋼の錬金術」には、「60年間ずっと武闘訓練だけを続けてきた男たち」というのが登場します。話の中ではさほど重要性のない存在なのですが、その訓練のたまもので、主人公たちを相手に、一歩も引かない闘いを見せます。
 その設定並びに活躍を見たときは、彼らの過ごした60年の事を想像したものでした。
 そして、今回出演した人には、その「60年間武闘訓練だけを続けてきた男たち」に通じる何かを感じ、感服と驚きが入り混じったような気分になりました。
 何事でも、一途に続けるというのは、かなりの忍耐力と努力が必要になります。自分もそのような域に達することができれば、と思いました。

2012年11月20日 23:55