2012年11月13日

不具合ビジネス?

 ちょくちょく、AdobeReaderとFlashから「最新バージョンにアップデートしてください」と、パソコン起動時に表示されます。別に画期的な性能が追加されるわけではありません。単なる不具合の修正です。
 ところが、これを見た時、即座に更新ボタンを押すと面倒な事になります。更新画面にはさりげなく、「Google Toolbarをインストールします」とか「Chromeをインストールしてメインブラウザにします」とか「マカフィーの無料版をダウンロードします」などと書かれており、デフォルトでチェックが入っています。
 そして、そのままダウンロードすると、それらのプログラムがインストールされてしまうのです。
 特に、 Toolbarなどは、もはや完全に時代遅れの遺物です。かつての売りだった「検索窓」も「ポップアップ制御」もいまやブラウザの標準機能となっています。よほどマニアックな検索をする人でなければ、こんなものの機能を使う機会などありません。
 にも関わらず、相変わらずこの類いの「騙しでダウンロード」は後を絶ちません。それを全部受け入れた結果、ブラウザのツールバー部分が異様に肥大し、肝心の表示画面が狭くなってしまったIEを見たこともありました。

 だいたい、この「アップデート」の原因は、プログラムのバグによってウイルスに感染するリスクが生じた、というものです。つまりは、自社の不具合なわけです。
 それを解消するために修正プログラムを流すのは当然ですが、なぜそのついでに、無関係なものをダウンロードさせようとするのでしょうか。
 わざと不具合を出してウイルスを蔓延させ、修正プログラムを入れさせるついでに、提携企業のプログラムをダウンロードさせているのだろうか、とまで思ってしまいました。
 この両製品は、いずれも圧倒的なシェアを誇るデファクトスタンダード的なものです。しかしながら、このような不具合と修正する際の「罠」をやり続ければ、いつかその地位から去る日がくるのではないだろうか、とまで思いました。

2012年11月13日 23:51