2012年10月07日

冤罪と「逮捕」報道

 他人のPCを「踏み台」にして殺人予告を書き込む、という犯罪がありました。しかしながら、警察は「踏み台」にされた人を犯人だと誤認して、逮捕・起訴してしまいました。それが判明し、その人達は、やっと釈放されたとのことでした。
 その中で一人、そこそこ立場のある人はいました。その人は逮捕された時点から「身に覚えがない」と言い続けていました。しかしながら、氏名・職業・住んでいる市まで書かれました。一部のテレビでは自宅まで映したとのことです。
 この類いの事件でしたら、「踏み台」という可能性は常に存在します。にも関わらず、無実の人を誤認逮捕・勾留し、起訴までした警察の能力の低さはもちろん問題視すべきです。
 そして同様に、その情報を鵜呑みにして、罪もない人を犯罪者呼ばわりして個人情報付きで「報道」した、商業マスコミの報道も大いに問題視されるべきです。
 この類の事件が起きるたびに書いていますが、逮捕された時点では犯人でも何でもありません。ただ、警察が「犯人の可能性がある」という理由で身柄を拘束しただけの話です。
 したがって、その時点で被逮捕者があたかも犯人であるかのような記事を書き、氏名を初めとする個人情報を書くこと事態が根本的に間違っているわけです。
 このような問題は、何十・何百回も発生しています。そのたびに、無実の人が多大な迷惑を被っているわけです。いくら冤罪での訂正報道が出た所で、その被害が取り消されるわけではありません。
 改善策は単に、「逮捕された時点でなく、裁判で有罪が確定した時点で初めて、必要ならば犯人として報じる」という社会のルールにのっとった扱いをすればいいだけです。なぜ、それができずに、このような迷惑千万な虚報を続けるのでしょうか。本当に理解できません。

2012年10月07日 22:06