2012年10月20日

逮捕と解雇と起訴

 8月23日に、現役プロ野球選手が強制わいせつの容疑で逮捕される、という事件がありました。そして、翌日、所属球団はその選手を解雇処分にしました。
 その元選手に関する記事が、久々にニュースに流れました。それによると、「強制わいせつ1件は不起訴に」という見出しのもと、「不起訴処分としたのは8月に逮捕された事件で、残る1件は捜査中。」と書かれていました。
 逮捕された後に起訴され、裁判で有罪が確定してはじめて、「犯罪者」という事になるわけです。逆に言えば、起訴されなかった時点で、この元選手は、その逮捕された事件において、「犯罪者になりえない」わけです。
 他にも別件で再逮捕され、うち一件については起訴されたとも書いてありました。しかしながら、これはまだ「犯罪者になる可能性が残されている」だけの話です。裁判の結果によっては、無罪になる可能性も十分にあります。
 いずれにせよ、この元選手が解雇された「8月23日の逮捕」の結果が、「犯罪の疑いがあって逮捕されたが、犯罪をしたわけではなかった」という事だけは確かです。ならば、球団の解雇という処分は、不当なのではなかろうか、と思いました。
 ここしばらく話題になっているように、警察とは、「踏み台」という典型的なウイルスの事も考慮せず、発信元のIPアドレスだけで無実の人を平気で逮捕するようなレベルの捜査能力しかもっていません。
 にも関わらず、「逮捕されたら解雇」というのが当然のごとく行われるのは、かなり異常なのでは、とこの「不起訴決定」という報道を見て、改めて思いました。

2012年10月20日 23:37