2010年05月12日

キセルとプライド

[ 交通 ]

 ここのところ、鉄道会社に勤める人が、その職権を利用して行った不正乗車に関する報道をよく見ます。
 手法はいろいろありますが、その中に、「磁気定期券に設定されている、入場記録がないと出場できない」という設定を解除して、キセルを行う、というのがありました。
 実は、この「設定解除」は鉄道会社に勤めていなくても行えます。分割定期券を買えば、こちらから頼まなくても、駅員さんが「処理しますね」と言ってくれるのです。

 したがって、分割定期券を使えば、実は不正乗車し放題なのです。実際、この話は広く知られており、会社の飲み会で、遠距離通勤している人に分割定期券の話をしたら、「キセルがし放題になるんですよね。でもSuica使えないのが面倒なので、やってないんですよ」と即座に返された事がありました。
 ならば自分が不正乗車をやっているかと言うと、そんな事はありません。たとえば、御徒町から乗るときも、別に普通に130円切符を買っても、一応不正でないのですが、わざわざ磁気定期券を券売機に入れて買っています。
 それにこだわる理由の一つとして、子供の頃、不正乗車をやって親に迷惑をかけた、という事があります。そしてもう一つ、世間に広く分割定期券を伝えている身として、その制度を悪用するのはいかがなものか、というプライドのようなものがあります。
 不正乗車を行った駅員さんにも、鉄道員としてのプライドがあれば、思いとどまることができたのでは、などと思いました。

2010年05月12日 23:58