2012年04月18日

「容疑者」の顔

 大分のテレビで、刑事事件で逮捕された人の親戚が、誤って「容疑者」としてTVに顔写真付きで放映された、という放送事故があったそうです。
 そして、その親戚の人は、TV局を提訴したとのことでした。
 もちろん、一番の問題は、そのような杜撰な写真管理をしたというTV局の体制にあります。おかげで、まったくもって無実な人が「犯人」として何千・何万人もの人に流されてしまったわけです。
 もちろん、意識してその顔を覚えている人はほとんどいないでしょう。しかしながら、少なからぬ人が「その人の顔=犯罪者」と刷り込まれてしまったわけです。その被害はかなりのものだと思います。
 このような悲劇をなくすための、根本的な解決方法があります。それは、最初から「容疑者」の顔写真や名前などを流さない、という事です。
 実際、この時点では「犯人」ではなく「容疑者」でしかありません。つまり「警察がこの人が犯人だと疑い、裁判所の発行した礼状に基づいて身柄を拘束した」だけに過ぎません。つまり、悪事をはたらいた、というわけではないのです。そこからそのような形で逮捕されながら、実は何ら罪などおかしていなかった人は無数に存在します。
 つまり、その時点で顔や名前を晒すこと自体がおかしいのです。
 報道被害者の方が請求した慰謝料は330万円とのことです。満額の支払いとなれば、若手社員の年俸並の出費となるわけです。そのような損失を出さないためにも、今後は、そのような「容疑者の名前を顔を晒す報道」自体をやめるのが最善なのでは、と思いました。

2012年04月18日 22:51