2012年08月08日

「サムライ」という「褒め言葉」

 日本ではいまだに「サムライ」とか「武士」という言葉はありがたいもののように扱われています。そして、その特異な風習である「切腹」も「いさぎよい」とか「責任感」みたいな印象をつけられ、美徳であるかのように扱われています。
 しかし、ちょっと江戸時代の歴史などを見れば分かるように、大半の切腹は「命じられる」ものです。つまり、強制的に自殺を強いているわけです。そう考えると、かなり非人道的な刑罰です。
 にも関わらず、現代の日本において、そのような側面を無視して、「武士の切腹」をもてはやすのはちょっとおかしいのでは、と思います。
 ついでに言うと、当時の武士には「無礼討ち」などという身分差別の最悪例みたいな制度もありました。また、人口の大半を占めていた農民は、「五公五民」などという重税を課せられて、その「サムライ」を養わされていたわけです。
 そのような前時代的な因習を考えれば、「サムライ」「武士」などは決して褒め言葉として使えるものではないのでは、と思いました。

2012年08月08日 23:30