2012年07月09日

偉人に学ぶ?

 日本史に出てくる「偉人」としてよく扱われる人物に織田信長と豊臣秀吉がいます。
 たしかに、両者とも数多くの戦に勝ち、巨大な権力を手にしました。その点では「偉い」とは言えるでしょう。しかし、それは現在に置き換えれば、数多くの抗争に勝って巨大な権力を得た暴力団の組長でしかありません。
 そして、織田信長は反対勢力をを倒すためと言って比叡山を侵略し、武装していない僧まで焼き殺しました。一方、豊臣秀吉は「検地」「刀狩」などで農民を締め上げ、それらから得た富で朝鮮半島を侵略し、多くの日本兵と朝鮮人に迷惑をかけました。
 これなども、1940年代に置き換えれば、枢軸国の指導者に通じるものがあります。
 こうやって考えれば考えるほど、彼らは為政者としてはろくな事をしていません。にも関わらず、なぜか現代の民主国家であるはずの日本において、彼らは偉人として奉られています。
 この風潮などは、「昔から彼らは偉いと言われていた。だから具体的に何をやったかは考察したことないが、偉いにちがいない」という考えに基づいていると思われます。
 他の「偉人」にも言える事ですが、ただ権力を持った・戦争に勝ったから偉い、というのは今の社会とは本来相容れないものではないでしょうか。にも関わらず、そのような「偉人」を尊敬してしまのは、色々な点において危ういのでは、と思いました。

2012年07月09日 23:37