2012年02月19日

居抜き

 職場の近くの飲み屋街に昼食を食べに行きました。日曜なので、ほとんどの店は空いていません。そんな中、見覚えのある店が看板を出しており、中にはお客さんがいました。
 前に行ったのは数年前でしたが、その時は、日本酒が美味しい店、という記憶がありました。ところが、入ってみると、内装は当時そのままでしたが、メニューも調度品も、全て中華料理になっていました。
 かつて、日本酒の瓶が並んでいた場所にはすべて中国酒があり、カウンターには、中華料理の材料とおぼしき肉が吊るされていました。中華料理店でも、ここまで徹底した所はなかなかありません。干している肉を見た時は、二十年近く前に行った香港の事を思い出したほどでした。
 その現状が、かつての日本酒メインだった時代と混ざって、不思議な気分になりました。
 この店のように、以前のテナントだった店の設備をそのまま使う「居抜き」というのは、内装費を節約するという効果があるとよく言われます。しかしながら、このような不思議な雰囲気を醸し出す事もできるとは思わず、驚かされました。
 そんな事に驚いていたら、注文した麻婆豆腐が出てきました。強い味ながら辛すぎもせず、本格的な四川料理、という感じでした。それがまた一層、店が持つ独特の印象を高めてくれました。

2012年02月19日 23:54