2012年02月15日

マナーの基本が理解できない会社

 突っ込みどころ満載として名高い(?)JTのマナー啓発広告の新作が電車に掲示されていました。今回のお題は駆け込み乗車で「駆け込みは危険な上に、間に合わないとカッコ悪い」などという言葉が書かれていました。
 前半部の「駆け込みは危険」はまあ、当然とは言えます。しかしながら、「間に合わないとカッコ悪い」というのには、「JTらしさ」を強く感じさせられました。
 つまりは、「カッコいいのは間に合うことだ」と言っているわけです。しかしながら、駆け込み乗車において、「結果的に間に合ったかどうか」というのは意味があるのでしょうか。
 確かに、間に合った本人は嬉しいかもしれません。しかしながら、周囲の人はその疾走にぶつかるリスクがあります。そして、駆け込みを「受け入れ」すると、電車は遅れます。さらに、車掌さんは事故を発生させぬよう、扉の開閉に一層の神経を使う必要があります。
 つまり、間に合おうと、間に合わなかろうと、周囲の人および、鉄道会社の人にとって、駆け込み乗車は極めて迷惑な行為なのです。
 にも関わらず、「間に合わないとカッコ悪い」などと書いて「マナー啓発」を自称しているのですから呆れるよりありません。
 まあ、「本業」であるタバコ関連の「マナー啓発」のほうで、「街中でタバコを吸う事自体がおよぼす迷惑」を「吸殻のポイ捨て」に矮小化して宣伝しているわけです。このような筋違いの「啓発」をするのも当然とは言えるでしょう。
 毎度の事ですが、この会社が「マナー」という物を根源から間違って認識しているという事がよく分かった宣伝でした。

2012年02月15日 23:45