2012年02月05日

NHKのよるソーシャルネットワーク比較番組

 NHKの「Eテレ」をつけっぱなしにしていたら、ソーシャルネットワークの比較番組をやっていました。ツイッターとフェイスブックとmixiの違いを検討する、というような内容です。
 ところが、明らかにそれらのサービスだということはわかるのですが、具体名は一切出て来ません。一覧表にも「国産のSNS」とか「つぶやき」という表記がなされています。たまに、画面は映るのですが、固有名詞などは全てモザイクがかかっていました。
 確かに、昔からNHKにはこのような「企業の名前を出さない」みたいな方針はあります。とはいえ、ニュースなどで「トヨタ」などの名前を出すことは普通にやっています。
 もし、一般論として「つぶやき」「外国産SNS」「国産SNS」の比較をするというのなら、微博やマイスペースなども取り上げればいいだけです。にも関わらず、実際に具体的に三つのサービスを比較しているわけです。それだけに、この過度の伏字にはわざとらしさばかりが目立ちました。

 そして、それ以上に驚いたのは、途中から「これらのソーシャルネットワークからどのように正しい情報を得るか」という話になった事でした。その方法として、公的機関直営のツイートを集めたサイトなどを紹介していました。さらに、「マスコミの報道など、正しさに確認がとれている情報を」などと解説の人が語っていました。
 それで「正しい情報」が得られるのなら、最初から役所の発表と商業マスコミの放送・記事を見ていればいいだけの話です。ソーシャルネットワークから情報を得ようとする必要など存在しません。
 役所発表やマスコミ報道が常に正しい訳ではないとわかったからこそ、エジプトの政変に参加した人はフェイスブックを重視したわけです。
 また、日本でも、福島原発事故以降、これまで流れていた「安全神話」および、事故後に流れた「ただちに健康に影響が出るものではない」などといった、役所やマスコミの発表が間違っていた事が判明しています。
 そして、それらが誤っていたのを理解するのに、ツイッターなどが役に立ったわけです。
 それらの現実をなかったことにして、「最終的に正しいのは、自分たちマスコミが流しているものだ」という事を大前提にして番組を作られても、「情報の取捨選択方法」という点においては何の役にも立ちません。
 というわけで、マスコミを通じてはソーシャルネットワークの長所も短所も理解することはできないよな、というのが、この番組から得た最大の「収穫」でした。

2012年02月05日 22:44