2012年01月27日

増設?

 ある駅で、「Suica専用自動改札機増設のお知らせ」という案内を見ました。「増設」というと、通路を拡張して改札機を増やすかのように見えます。しかし、よく見たところ、既存の改札機を専用機に置き換えて、切符および磁気式定期券を使えなくなるようするだけでした。
 別に、既存の改札機でもSuicaは使えます。したがって、利用者にとっては何一つ便利にはなりません。そのような事実を隠すために、あえて「増設」などという言葉を使ったのだろうな、と思いました。
 確かに、鉄道会社にとっては、この「増設」は利点ばかりです。
 まず、切符などを通す必要がなくなるため、「紙詰まり」がなくなり、故障のリスクおよび復旧のための手間が減ります。
 さらに、切符が減れば紙代も節約できます。そのうえ、切符で乗った場合は不通になると振替輸送をする義務が生じますが、Suicaやpasmoで乗った客に対しては、その義務がないため、事故発生時の費用も削減できます。
 そういう事もあり、「増設」などと盛り上がりたいのでしょう。しかし、どう表現しても事実は「切符・磁気式定期券が使える改札機の減少」でしかないのです。
 何度か書きましたが、JRをはじめとする鉄道会社は「故障」→「点検」とか、「線路に転落」→「線路に人立ち入り」などと姑息な言い換えをよくやります。これもその一環なのでしょうが、あまりやりすぎると、そのうち会社への信用が失われてしまうのでは、とも思いました。

2012年01月27日 22:55