2012年01月05日

ガンダム世代?

 ビジネスやIT分野を得意としている出版社のサイトに、“ガンダム世代”のやり方は通用しないというものがありました。
 40代と20代の世代の違いに基づく考え方の相違を主題にしているようです。その区分として、それぞれの世代で人気のあるアニメを使って、読者の目を引こうとしたのでしょう。
 実際に私も、その見出しは印象に残りました。そういう意味では、題名のつけかたは上手かったと言えるでしょう。
 しかしながら、その内容については、質の低さに呆れるよりありませんでした。
 著者によると、
ガンダム世代の特徴は、「組織は理不尽と認識しつつも、そこに従属することをよしとする」「個人の感情は押し殺し、表面的に正しいことに従う」というタテ社会に住んでいることだという。こう指摘されると、ちょっと反論してみたくもなる。しかし、実際にシステム開発プロジェクトなどでのガンダム世代の行動や思考を見てみると、かなり本質的な部分をズバッと突かれているのではないかと思ってしまう。
 だそうです。
 ガンダムを象徴するキャラであり、主役のアムロよりも人気のあるキャラに、シャア=アズナブルがいます。彼に影響を受けた「ガンダム世代」は多いと思いますが、そのような人がここで書かれているような「ガンダム世代の行動や思考」を持つとは思えません。
 ちなみに、この文章の主題は、IT技術者です。ガンダムで技術者と言えば、「ジオングに脚がついていない理由を語った人」が有名です。そして、彼の気概と、この著者が「分析」した「ガンダム世代」は大きく乖離しています。
 いずれにせよ、この冒頭部分だけで、この記事に何の価値もないと断言できると思いました。
 だいたい、40代がみな、ガンダムを見て育ったわけではありません。人によって心に残るアニメはそれぞれあるでしょう。しかしながら、この文章だと、どの作品が好きな人でも全て「ガンダム世代」と一括りにできてしまえるように思えてしまいます。
 別に私もさほどガンダムが好きなわけでもありません。その自分が見ても、この著者は「半可通」を通り越して「百分の一可通」というレベルで文章を書いていると思いました。

2012年01月05日 23:59