2011年09月27日

自ら不可能と証明している主張

 26日付の日経新聞一面左側には、原発の安全点検がいかに複雑かつ多岐にわたり、かつ手順通りに実行されていないか、を特集していました。
 そして、一面下のコラムでは、洞爺丸事故を題材とし、少しでも危険を感じたら安全側を選ぶという提言を紹介していました。
 ところが、同じ日の社説は原発安全性に強い指導力を目指せという題名でした。一面で主張している、「安全点検はできていない」「少しでも危険があるなら無理するな」と180度異なる題名です。
 しかも、その社説本文のどこにも、「原発安全性」なるものを確立できる要因が書かれていません。それどころか、。原子力安全・保安院には頼りになる専門家はいない。経験豊富な人材を海外からスカウトし、要職につけるくらいの覚悟が要るだろう。などと、現状の日本において「原発安全性」などはありえない、みたいな事が書いてあります。
 つまり「社の主張」は「強い指導力」とやらで原発安全性を目指せ、となっていますが、社説本文・記事・コラムのいずれも「そんなもん無理だ」とそれを主張しているわけです。なかなか笑える紙面構成だと思いました。
 ちなみに、その社説によると、日本の原子力は「ハードは一流だが、ソフトは二流」とされる。との事でした。あの爆発した福島第一原発の写真およびそれがもたらした結果を見る限り、どこをどう間違えても「ハードは一流」などとは言えないと思うのですが・・・。
 実は日経の論説委員氏は民明書房の愛読者で、そこの文献からこの言葉を拾ってきたのだろうか、などとすら思ったほどでした。
 というわけで、いろいろと笑いかつ呆れさせられた、新聞の一面および二面でした。

2011年09月27日 00:57