2011年08月02日

別な意味での「勇者」

 3月の原発災害の直後に、ブログやツイッターで鋭い発言をして話題になった10代アイドルの方がいます。10代のアイドルにはさほど興味はありませんが、その人の書くこと自体が勉強になるので、ファローしたりしています。
 もちろん、本人の発言そのものが有益なのですが、その人に絡む連中の発言はまた別の意味で楽しめます。
 その連中は、「たかが10代の子供の分際で生意気な。こっちは知識と経験があるんだぞ」みたいな感じで、偉そうな口調で絡んできます。ところが、偉そうな事を言う割には、振りかざす知識は、「安全神話」レベルのものでしかありません。その結果、あっさり論破されます。
 ちょっと考えれば、3月10日まで持っていた「原発は安全かつ効率的で、日本経済を支えている」などという事を前提とした知識は、現時点ではすでに「天動説」みたいな物に成り下がっている事など、容易にわかるはずです。にも関わらず、その「知識量と経験の差」を武器にして、大上段から振りかぶっているのです。これでは最初から負けるのは当然です。
 だいたい、仮に論戦で勝ったところで、相手の肩書きは「10代のアイドル」です。別に褒めてくれる人もいないでしょう。そうやってちょっと考えれば、自分が行っているのが「簡単に勝てるわけない上に、仮に勝っても得るものはない」という、「ハイリスクローリターン」な闘いである事は分かるはずです。
 まあ、それが分かるほどの思考力がないからこそ、傍から見れば無謀すぎる闘いを挑んでしまうのでしょうが・・・。典型的な「別な意味での勇者」だと思いました。

2011年08月02日 23:50