2011年04月05日

折り返し

[ 交通 ]

 本屋で「阪急電車」という本が平積みになっていました。映画化される、みたいなポップもついており、かなり話題の本のようです。
 子供の頃、一年程ですが阪急沿線に住んだ事がありました。それもあって手にして目次を見たところ、当時自分が住んでいた所から数キロ離れた所にある「今津線」を舞台にした話であることが分かりました。
 そして、各話の題名も全て今津線の駅名となっています。そして、起点の宝塚駅から始まり、途中の西宮北口駅まで着くと、今度は折り返しで同じ駅を逆にたどって宝塚に戻る、という構成になっていました。そして、線名の由来である今津駅は出てきません。

 本では折り返し点になっている西宮北口駅の先には、阪神国道駅があり、その次が終点の今津駅となっています。しかしながら、その二駅は無視されているのです。それは、27年前に、それまでつながっていた今津線が西宮北口で分断されたためです。
 作者がどのように阪急電車と接していたのかは分かりません。ただ、27年もその状態が続けば、そのように書くのは当然でしょう。地元の人も違和感がなく読めると思います。
 ただ、私が住んでいたのは、その「分断」が行われる三年前でした。当時は、西宮北口駅構内で、今津線と神戸線の線路が直角に交わっていました。その交点を通るときに、パンタグラフが光っていた事などは、今でもよく覚えています。
 そして、分断前に引っ越した事もあり、自分的にはいまだに今津線がつながっている印象が強くあります。
 そういう事もあり、目次を見たときは、少々違和感がありました。そして同時に、そんな事を感じるのは、自分のように、分断前に住んでいた人たちだけだろうな、などとも思いました。

2011年04月05日 22:43