2011年03月08日

方向がズレ過ぎている「対策」

[ 交通 ]

 JR東日本が足を投げ出すなど迷惑な座り方はできませんを「売り文句」にしたロングシートを開発し、山手線に投入するとのことです。
 何でも、乗客の苦情にあったから、人間工学の学者と協力してそのような椅子を開発したそうです。それを読んだ時、少々不思議に思いました。
 私は、山手線と同じ型の車両が走っている中央・総武各駅停車にほぼ毎日乗っています。ほとんどが朝夕の通勤時間ですが、休みの日など、空いている時にも乗ります。しかしながら、いずれも「足を投げ出している人」など見たことはありません。

 確かに、古い型のロングシートは、どこにでも座れました。そのため、七人がけを六人で座り、余裕があるため、足を投げ出した人もいたように記憶しています。
 しかし、現在の山手線や中央・総武線各駅停車で使われているロングシートは、現時点でも、定位置として定められた場所以外には座りづらくなっています。仮に空いていて、七人がけに六人しか座っていなくても、足を投げ出して座るのはかなり難しいです。
 もちろん、そのような環境でも足を投げ出して座る「勇者」もいるとは思います。しかしながら、対策をとるほどの事かと思うと疑問です。
 そんな事に予算を取って対策をPRする暇があるならば、先日発生した「故障した踏切を放置し、社員による誘導で対処していたら、ダイヤ遅れを検知できず、列車が接近しているのに車を通して運転手を殺した」などという事故の再発防止に予算を取るべきではないでしょうか。
 これなら、定期点検の回数を増やしたり、故障発生時の復旧要員を確保するなど、昔やっていた方式に戻すだけで可能です。
 あらゆる意味で、JR東日本の感覚のズレを感じさせられた記事でした。

2011年03月08日 23:15