2011年02月02日

八百長メール報道雑感

 力士の「八百長メール」がニュースになっています。八百長と言えば、10年ほど前に、前日に大怪我した人気横綱相手に、相手の横綱が何もせずに敗れたという優勝決定戦の中継を見た事がありました。そして、その表彰式は「政治ショー」に利用されました。ちなみに、優勝した横綱はそれから一年以上連続休場しています。
 それを見て以来、「まあ、興業の都合上そういう事もあるよな」と思うようになりました。したがって、「そのようなメールの存在が判明した」と聞いても、特に驚きもしなければ、不快感もおぼえません。

 ただ、この報道で非常に気になった事が二つほどありました。一つは、「野球賭博事件の捜査で携帯を押収していた警察により、メールの中身が明かされた」という事です。
 野球賭博と八百長が連動していたとか、別に相撲賭博も存在し、報じられたメールがその捜査の資料にもなっている、という事ならば、確かに捜査上必要な情報で、公開も当然でしょう。
 しかしながら、単に力士同士が星の貸し借りをしていただけなら、それは犯罪になりえまえん。そんなことは警察も重々承知しているでしょう。
 ならば、野球賭博という犯罪を捜査する目的で押収したメールから得た、犯罪と関係のない八百長の情報を公開するのは適切なのだろうか、と気になりました。

 もう一つは、力士に対する「敬称」でした。社によって、力士を呼び捨てにする所と敬称をつける所がありました。十両以上の力士に対しては「関」という敬称があり、「敬称派」の社は当然ながらそれを使っていました。
 一方、幕下以下の力士に対しては、特に敬称は定義されていません。そのため、「敬称派」の社は、四股名の後に「力士」とつけていました。
 もちろん、力士であるのは事実ですから、間違ってはいません。しかしながら、かなりの違和感がありました。
 もっとも、代わる「敬称」も難しいところです。「さん」や「氏」というわけにもいきませんし、プロスポーツマンによく使われる「選手」も違和感があります。
 どうせなら、幕下以下の力士に対する異名である「取的」とか「褌担ぎ」でも使えば面白かったのでは、などとしょうもない事を思ったりもしました。

2011年02月02日 23:14