2010年12月05日

一部の地域+一部の地域=?

 昨日の日刊スポーツサイトのトップに、「一部の地域の記事について」などという、不可解な言葉が掲載されていました。
 クリックしてみたところ、そこには訂正記事が載っていました。なんでも、「一部の地域」の一面で、歌舞伎役者と女性タレントが同席していいた、と書いたが、それは事実無根だった、とのことでした。
 誤報を訂正するのは当然の事です。しかし、なんでこのように分かりにくい文言でリンクを貼るのだろうか、と思いました。

 ただ、この「一面」は確かに「一部の地域」に載らなかったようです。なぜかと言うと、その後、プロ野球の東京ヤクルトスワローズが身売りをする、という「スクープ」が入り、遅い版は全てそちらを一面に差し替えていたからです。
 ところが、面白いことにこれもまた誤報でした。ヤクルト本社を初め、記事にされた関係者は全て報道を即座に否定したのです。
 そのため、現時点での日刊スポーツのサイトには、4日に日刊スポーツが報道した記事(一部地域で掲載)について、ヤクルト本社および球団は同日、内容を全面否定した。という記事が載っています。
 つまり、昨日の日刊スポーツの一面には二つのパターンがあり、一つは「歌舞伎役者殴打事件」、もう一つは「球団身売り事件」だったわけです。結果的には全国すべてにおいて、一面トップ記事は大誤報だったわけです。
 それを逆手に取って(?)、どちらも「一部の地域」と記載するのだから姑息なものだと思いました。
 だいたい、新聞を買った人が全てサイトを見ているわけではありません。また、派手な見出しにつられ、普段は買わない人が、昨日だけ特別に買った可能性もあります。それだの人は、今でも誤報を信じ続けている可能性があります。
 新聞協会の「倫理規定」によると、新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならずだそうです。それに従うならば、今日の一面を「日刊スポーツ大誤報!」とでもして、球団売却と歌舞伎役者の件の訂正記事を大々的に載せるのが「記者の任務」を果たすために必要でしょう。
 もちろん、そのような事をするわけがありません。それどころか、歌舞伎役者の誤報訂正ページは、二日も経たずに削除されました。現在は、他社サイトでしか見ることができません。
 昨年、この新聞社の事実誤認・捏造・記者の不勉強による誤った記事に、かなり不愉快な思いをさせられました。それ以来、久しぶりに記事を見ましたが、正確性・無責任さとも、より一層悪質化しているのだな、と別の意味で感心してしまいました。

2010年12月05日 21:43