2010年07月05日

二重の意味で突っ込みどころ満載の「寸評」

 読売新聞が力士の花札賭博を舌鋒厳しく批判しています。やけに偉そうですが、二つの点が非常に気になりました。
 まず、この新聞社にも相撲担当記者は何人かいるはずです。そして、部屋や巡業などで取材をしていると思われます。そんな中で力士が花札や麻雀をやった場面を見たり、それに関する会話を聞いたりしたことはなかったのでしょうか。
 これまで知っていて黙認していたのでしょうか。それとも、毎日のように取材をしていながら気づきもできない程度の取材力しかなかったのでしょうか。相撲界の体質をどうこう言う前に、自らの報道者としての「体質」を問題視するのが先でしょう。

 さらに言えば、内輪で金を賭けての花札をここまで批判しているわけです。ならば、自社内で、麻雀など、そのような賭け事が行われていないか、きちんと確認したのでしょうか。
 ここまで内輪の賭博を批判し、暴力団がらみの野球賭博との関連性まで指摘しているわけです。これで、自社内で賭け麻雀をやっている社員がいた、などという事があっては、読売新聞も「賭博体質」になっています。もちろん、レートが点10だから、大金を動かす力士の花札とは違う、などという理屈は通りません。確かに力士に比べれば少額でしょうが、賭博は賭博です。
 そのあたりを明確にせずに、一連の報道の尻馬に乗るような形で偉そうな事を言う、という姿には、かなりの滑稽さを感じました。

2010年07月05日 22:08