2012年05月15日

走る漫画喫茶?

 ツイッターを見ていたら、大阪から名古屋まで6時間弱かけていく夜行高速バスという話題がありました。
 この区間、東海道線の快速電車でも3時間ちょっとで到達できます。にも関わらず、大阪駅の次の停車が名古屋駅、というバスが、それより2時間以上かけて進むわけです。
 これでは、「夜行低速バス」と言わざるをえないでしょう。
 とはいえ、この運行形態自体は、面白いと思いました。従来、公共交通機関を用いて朝イチで名古屋に行きたい大阪の人は、前日の夜に行って現地に泊まるくらいしか方法はありませんでした。
 しかしながら、この「夜行低速バス」を使えば、その名古屋での滞在費が節約できるわけです。
 また、運転的にもこれは安心できます。時間調整をするためには、どこかのサービスエリアだか道の駅だかで長時間休憩をするのでしょう。これならば、先月末に発生したような、規制緩和によって生じた運転手酷使による大惨事も発生しません。
 数十年前、当時としては豪華な食堂車つき寝台列車「あさかぜ」が東京と下関の間で運行された時、世間は「走るホテル」と褒め称えたものでした。
 それに対し、この「滞在費を浮かすために、狭い椅子に座ってゆっくり進みながら一晩明かす」という、この新機軸バスは、さしずめ「走る漫画喫茶」と言うべき存在なのではなかろうか、などと思いました。

2012年05月15日 23:38