2012年05月13日

飛び込みの名所ほか

 昨日、またもやJR東日本の某駅で、特急列車への飛び込み自殺が発生しました。今から約10ヶ月前、この駅で同じ特急列車に飛び込んで自殺をした人がいました。
 その際、はねられた角度が悪く、その死体によって二次被害・三次被害が発生し、それが大きく報道されました。
 それまで、この駅での飛び込み自殺などはほとんどありませんでした。ところが、これが報道された月だけで、同じ駅・同じ特急への飛び込み自殺が二件発生しました。
 その後も、類例は続き、昨日に至っているわけです。
 こうなると、最初の自殺を大きく報じたため、ここが「「自殺の名所」になってしまった、と言わざるをえないでしょう。
 確か、昨年の自殺件数が増えた時、厚生労働省だかが「芸能人が自殺した影響」などと「分析」していました。個人的には経済的要因が最大の理由だとは思っています。とはいえ、公的機関が「自殺報道があるとそれに影響される可能性」を発表しているわけです。
 ならば、各報道機関も、自殺について報じる時、「その報道が、どのような影響力を生じるか」という事をもっと考えるべきではないのだろうか、と思いました。

 なお、似たような例に、先月あたりに発生した自動車事故があります。直後からこの事件は大きく報道され、「犯人」の運転手が死んでしまったにも関わらず、しつこく「検証記事」が流れました。
 それ以降、同様の自動車事故が急増しています。これなども、報道に触発された可能性を考える必要があるのではないでしょうか。
 だいたい、自殺にしろ自動車事故にしろ、知らないからといって我々の生活に影響することはありません。それこそ、「事故で電車が止まっている」という情報さえあれば十分なのです。
 長年の慣習もあるのでしょうが、いい加減、影響力と報道の必要性をもう少し考えて記事を作ってほしいものだ、と改めて思いました。

2012年05月13日 19:46