2011年10月03日

「恩恵」の誤用例

 ネットなどで、「原発の恩恵を受けてきたのに反対するなどおかしい」などと言う人がたまにいます。リアルの世界でも、黒塗りでスピーカーをつけた車が、そのような内容の騒音をまき散らしながら走っていたのを先日見かけました。
 しかし、生まれてこのかた、自分はそのような「恩恵」なるものを受けた経験がありません。確かに、使っていた電気の2~3割は原発が作っていたのかもしれません。ただし、こちらから「ぜひ原子力で発電してくれ」などと頼んだ事も一度もありません。
 そして、その電気を月に数千円払って購入した事はあっても、恵んでもらった事などありません。
 その「電力購入」が「恩恵」になるのならば、中国産の冷凍食品を購入して食べる事も「中国の恩恵を受けた」事になってしまいます。
 「金を払って買う」と「恩恵を受ける」の違いくらい小学生でも分かるでしょう。まさか、ネットやスピーカーで声高にそのような主張している人が、その程度の判断力すらないとは思えません。分かっていてもそのような宣伝をやらねばならない「理由」が何かあるのでしょうか。
 彼等がそのような活動をする対価として、どのような「恩恵」を受けているのだろうか、と気になりました。

2011年10月03日 23:47