2011年09月16日

OEMの喜劇

 時事通信社のサイト「jiji.com(時事ドットコム)」に教えて!jijicomというコーナーがあります。
 といっても別に時事通信が何か教えてくれるわけではありません。
『教えて!jijicom』は[時事ドットコム]と日本最大級のQ&Aサービス[OKWave]がコラボしたQ&Aサイトです。あなたの質問に100万人の[OKWave]会員が答えてくれます。とあるように、OKWaveのサイトを時事通信のドメインでOEMしているだけです。
 というわけで、通常は「時事通信社のサイト」である意味はどこにもありません。しかし、先日、この「ブランド」が大いに役立った質疑応答がありました。
 それは、鉢呂元経産相を罵倒した記者は、どこの記者ですか?という質問でした。
 これは先日、「問題発言」で辞任した前大臣の記者会見で、ある記者がヤクザのような言葉遣いで「質問」をし、その場にいたフリージャーナリストがそれを記事にして配信した、という事に起因しています。
 その記者は、身分証を隠していたのですが、何らかの理由で所属がバレてしまったようです。
 したがって、「質問者が選んだベストアンサー」は時事通信の記者ですねというものでした。結果的には、時事通信社が自らのドメインを使っているサイトに、「当社にはヤクザまがいの言葉で質問をする記者が所属している」と公表した事になったわけです。
 他社の作ったサイトをそのままOEMして自社ドメインで公開する、という事をしたゆえに発生した「喜劇」と言えるでしょう。
 モラルの低い記者の素性を自ら(?)公開したのは、「ジャーナリズム」としては素晴らしい事だと感心しました。ぜひとも次は、自家製の記事で、その「ジャーナリズム精神」を発揮して欲しいものだ、と思いました。

2011年09月16日 23:54