2011年08月11日

デスクトップとフォルダとExcel

 夕方、レストランで夜勤明けだった人から、「デスクトップが開かなくなった」という連絡がありました。仕事が終わって帰宅し、眠った後、自宅から電話してきたとの事です。その仕事熱心さには感心しましたが、目の前にパソコンがない以上、何が起きたか分かりません。
 そこで、現地にいる人に電話で確認しましたが、普通にログインしてデスクトップは開いた、とのことでした。
 不思議に思いながら、夜まで仕事をし、そろそろ帰ろうかと思ったら、今度はその日の夜勤担当の人から電話がありました。今度は、「フォルダが開かない」との事です。
 先程の電話およびその後の確認とあわせると、ログインしてデスクトップまでは開くのは確かです。そこまで行ってフォルダが開かないなど普通に考えてありえません。
 ただ、二人の人がそれぞれ異常を訴えているのですから、何かが起きているのは確かです。しかたないので、現場に寄ることにしました。
 行ってみたところ、電話をかけた人が、ブラウザでWEBシステムを操作しながら、デスクトップにあるExcelファイルのアイコンを指さして、これもあれも開かない、と言いました。

 つまり、開かなかったのはデスクトップでもフォルダでもなく、「デスクトップに置いてあるExcelファイル」だったわけです。おそらく、その人はアイコンおよびショートカット=フォルダ、という認識だったのでしょう。まあ、いずれの人も、体系的に学んだわけでもないので、仕方ないところです。
 ブラウザが開くのにExcelだけが開かないとなると、原因は一つしかありません。案の定、ツールのオプションから全般タブを開いたら、「他のアプリケーションを無視する」にチェックが入っていました。
 何故か知りませんが、ここにチェックが入ると、デスクトップなどのデータをダブルクリックしてもExcelのアプリは開くもののデータは開かなくなります。そして、何故か分かりませんが、何かの拍子でここにチェックが入ってしまうことが過去にもありました。
 というわけで、原因究明および解決に要した時間は5分もかかりませんでした。しかしながら、現実問題として、この現象を言葉で説明するのは普通の人には難しいでしょう。
 もちろん、今回のトラブルの「犯人」は、操作をした人たちでなく、そのような不可解な機能をExcelに搭載したMicrosoftです。特別な使い方をする人にとっては、この「他のアプリケーションを無視する」が必要なのかもしれませんが、ユーザーの99%にとっては一生使わない機能でしょう。
 そんなものを簡単に設定できてしまう設定にしやがって、アメリカにいるであろう開発者を恨みながら、22時半すぎに、家へ向かう電車に乗りました。

2011年08月11日 23:52