2011年05月11日

高飛車

 富士急ハイランドが、「高飛車」という名前の絶叫系ジェットコースターを7月に運行開始する、と発表しました。
 この遊園地では、派手な演出の絶叫系ジェットコースターに奇抜な名前をつける、というのは定番のようで、今回のものはシリーズ第4弾になるとのことです。
 遊園地にも絶叫系ジェットコースターにもさほど関心はないのですが、今回の発表には奇妙な感慨がありました。
 名前の由来となった「高飛車」は、元々は将棋用語でした。端的に言うと、自分だけは歩を持ち駒にして、相手には同じことをさせない、という指し方です。これが転じて「高圧的な態度」という一般用語になったようです。
 逆に、その一般用語の印象が強くなったためか、将棋用語では代わりに「浮き飛車」という言葉が使われるようになり、「高飛車」は死語みたいな存在になりました。そして、「高圧的」という派生的な用法がついには絶叫系ジェットコースターの名前にまでなったわけです。
 ちなみに、大学時代、私は将棋研究会に所属していました。その合宿で何度か富士五湖周辺に行き、二回ほど息抜きで富士急ハイランドに行きました。若い男たちだけで富士急ハイランドに行ってジェットコースターに乗る、というのは傍からみればかなり奇妙な事だったでしょう。まあ、今にしては懐かしい思い出です。余談ですが、その時生まれて初めて一回転するジェットコースターに乗り、眼鏡が落ちた事はいまでも鮮明に覚えています。
 というわけで、自分にとっての富士急ハイランドは「将棋合宿の息抜きで行くところ」だったわけです。したがって、そこに、将棋用語を用いたジェットコースターが出来る、というのは個人的にはかなり印象に残る事でした。そして同時に、そんな形で印象に残ったのは、日本広しとはいえ、自分だけだろうな、などとも思いました。

2011年05月11日 23:52