2010年10月31日

循環夜行急行アルペン

[ 交通 ]

 図書館に行ったら、時刻表のバックナンバーが置いてありました。しかも、さまざまな年代のものがあります。最近の図書館はこんなサービスまでしてくれるのか、と驚きつつ、1972年の時刻表を借りました。
 自分は物心がついたころから乗り物が好きだったのですが、その物心がついたのは、ちょうどその頃でした。そういう意味では、「乗り物好きになった時の時刻表」とも言えます。

 その号は、新幹線岡山延伸記念号でした。まだまだ鉄路は伸びている時代です。そして、かなりのローカル線も含め、全国の隅々まで急行が走っていました。
 それらのダイヤを追っているうちに、臨時急行「アルペン」という不思議な列車を見かけました。10時半頃に大阪を出て北陸線に入り、直江津で曲がって長野に向かいます。そして長野からは夜行列車となって、中央線経由で名古屋に出て、東海道線を経由して早朝6時前に大阪に戻るのです。
 ちなみに、自分が時刻表を読み出した頃にも、この臨時急行「アルペン」は存在しましたが、その時は、平凡な北陸線の夜行急行となっていました。

 それにしても、なぜこのような列車を設定したのか分かりません。循環する路線というのは、経由する大半の駅で乗り降りする需要があるために設定されます。山手線のように、目白で乗って鶯谷で下りる人もいれば、日暮里で乗って大崎で下りる人もいれば、浜松町で乗って原宿で降りる人もいるから、循環路線が成立しているわけです。
 しかしながら、この「アルペン」が循環路線である意味がありません。当時は、17時30分頃に直江津を出て、深夜2時半に名古屋で降りる人、などという需要があったとでもいうのでしょうか。
 もしかしたら、当時ダイヤを作っていた人が趣味で設定した列車なのだろうか、と思いました。そして、今なら、この列車に大阪から大阪まで乗って、その模様をネットなどに書く人が多々いただろうな、などと思いました。
 こんな列車があったりするので、何の役にも立たないにも関わらず、ついつい38年前の時刻表を読みふけってしまいます。

2010年10月31日 23:36