2010年08月21日

甲子園の異世界

 甲子園の決勝を見ていました。序盤は0対0でしたが、4回に興南高校の打線が爆発し、一挙7点を挙げました。
 いわゆる「先発投手がKOされた」という状態です。しかも、先発投手は昨日・一昨日と完投しています。ところが、東海大相模高校は投手を代えません。
 そして6回には3ランなども出て、6回で13対0という大差になってしまいました。さながら、興南高校の打撃練習という感じです。
 地方予選だったらこれでコールドゲームです。それでも、先発投手は投げ続けます。

 昔のプロ野球中継では、このように打ち込まれた展開でも投手を代えない状況になると、「○○投手が晒しものになっている」という放送されていました。この試合展開は、典型的な「晒しもの」と言えるでしょう。
 6回終了時点で交代となり、この、炎天下でエース投手が晒しものになる、異常な状況はやっと終了しました。
 高校野球ではこのような異常な状況が多々あります。今夏の地方予選では、炎天下の人工芝球場で、延長15回で215球投げた投手が、熱中症で病院直行になったという記事がありました。
 そこでの監督の談話、さらにはそれを報じる記事のどこにも、これが「異常な酷使」であることを意識していません。これまた毎度の事ですが、より一層、異常さが浮き彫りになります。
 ちなみに、決勝の中継中、「ファンからのメッセージ」が紹介されていました。しかしながら、この異常な投手起用を批判するようなものは紹介されませんでした。
 一種の「裸の王様」状態なのでしょうか。試合終了の時は、やっとこの異常な時間が終わった、という感じで安堵感をおぼえました。

2010年08月21日 19:55