2012年05月03日

取材力がなさすぎる本

 コンビニに行ったら、「これでいいのか千葉県千葉市」というムックが置いてありました。地理ネタが好きな上に、接頭語が自分のやっているブログと同じ事もあり、手にとってみました。
 題名のみならず、表紙で使われている絵もかなりネガティブなものになっています。どうやら、俎上にした地域をボロクソにけなす本のようです。
 その主題については予想通りでした。しかしながら、そこに書かれている事の品質には唖然としました。
 最初に見たの交通のところですが、総武線の快速通過駅に住む人は、船橋で通勤快速に乗り換えて都内に通勤する、などと書いてあります。
 しかしながら、通勤快速は、朝に二本しかありません。したがって、そのダイヤが出勤時刻にあっている東京や品川などで働いている、ごく一部の人以外は、そのような乗り換えはしません。
 この部分を読んだだけで、ライターが総武快速の路線図を見たら「通勤快速」というのがあったので、その情報を元に思いつきを書いている、という事がわかりました。

 続いて、幕張新都心の項目を見ました。こちらは、なぜだか知りませんが、「海浜幕張には飲み屋がない」という妄想を前提にダラダラ書いています。
 もちろん、新宿などに比べれば、勤務人口における飲み屋の割合が非常に少ないことは確かです。しかしながら、以前からプレナやテクノガーデンには飲み屋がありましたし、数年前には駅前に飲み屋がメインのビルが二つほど建ったのですが、そのような現実はおかまいなしで書き連ねているのです。
 当然ながら、そこを読んだ時点で、書棚に戻しました。
 確かに、千葉市の通勤インフラも、幕張新都心も様々な問題を抱えています。そこに目をつけた事自体は面白いと思いましたが、このような程度の低い取材では読み物としての価値が生じません。
 千葉市の状況に劣ると勝らず、この本を作った人たちの能力についても「これでいいのか」だと思いました。

2012年05月03日 18:22