2010年03月03日

侍の心

 たまに、「日本人は侍の心を思い出せ」みたいな文章がマスメディアなんかで見受けられます。しかしながら、「侍」が人口に占めた比率はかなり低いはずです。ちなみに、自分の先祖は八王子で和菓子屋をしていたそうですから、「侍の心」など、自分の血には流れていません。
 さらに、江戸時代の「侍」といえば、農民の収穫の四割以上を収奪しただの、武士より下の層に無礼を働かれたら斬殺する権利が保証されていただの、あまりいい印象がありません。

 そして、「侍の心を持て」という文章にも、自分の持つ「侍」への印象に通じるものを感じてしまいます。
 というわけで、血統的な事からも、その身分に対する印象からも、「侍の心」などを持ち合わせてもいなければ、持つ気もありません。
 先祖が持つ心を大切にする、という事自体はいいと思います。ただ、どうせ持つなら、そのような特権を振りかざしていた少数の層でなく、豊かな自然と共生して生活し、その自然を我々に引き継いでくれた多くの人々が持っていた「心」を受け継ぎたいものだな、と思いました。

2010年03月03日 23:58