2010年01月27日

かずさアカデミアパーク破綻

 木更津の郊外にある、「かずさアカデミアパーク」が経営破綻した、というニュースがありました。1980年代に、アクアライン開通を見越して作られた計画とのことです。山を大々的に切り開いて、研究施設などを誘致する構想だったそうです。バブル崩壊もあって誘致が進まなかった、というよくある展開となり、ついにこの結果を迎えました。
 この施設には、5年前までは、仕事の関係で年に一回行っていました。
 アクアラインが契機となって造られた、となると交通の便が売りになっているように思えます。たしかに、東京駅からはアクアライン経由の高速バスがあって1時間ちょっとで行けます。
 それだけ見れば便利そうですが、それ以外の場所から行くには不便でした。我が家から行くとなると、木更津までで1時間かかります。そこからバスで2~30分ですから、むしろ東京から行くより時間がかかります。

 しかもバスの本数がかなり少ないですから、事前に時刻をきちんと調べておかないと、より一層時間がかかる事になります。また、道路状況を見ても、高速を降りてからの道はさほど広くありません。つまり、アクアラインこそあるものの、お世辞にも交通の便がいいとは言えない場所でした。
 したがって、企業誘致が進むわけもありません。いつ行っても中心部に数軒の建物がある他は広大な空き地でした。当初は東京や木更津へ行くバス停の前にある建物にはコンビニが入っていたのですが、ある年に撤退。その跡地が埋まることはありませんでした。
 当然、メンテナンスにも予算は取れず、経年劣化とあいまって、行くたびに外見がくたびれて見えるようになっていました。
 という経験もあるので、経営破綻と聞いても、何ら驚きませんでした。まあ、計画した事自体が間違いだった、ということなのでしょう。
 ちなみに、このアカデミアパーク事業は、海浜幕張・成田と並ぶ千葉の三大開発事業として位置づけられていたそうです。そのうちの一つである海浜幕張の方も、やっと駅前の空き地は埋まりましたが、10数分も歩けば、広大な空き地が広がっています。
 成田周辺のことは分かりません。ただ、二箇所に広がる広大な空き地を思うと、「三大開発」をやるなら、まず一つやって、それが成功してみたら二つめを検討する、とすれば、まだここまでひどくはならなかっただろうに、と改めて思いました。

2010年01月27日 22:53