2010年01月25日

失敗そのものより重要な後始末

 あるシステム系企業のメールマガジンを取っていました。宛先として名前が差し込まれていたのですが、今日届いたのは、「&#$$様」みたいな記号になっていました。何かの原因で、顧客名簿のデータ差込みに失敗したのでしょう。
 まあ、人間ですから間違いはあります。しかも、何百通も送られる宣伝メールだという事は分かっていますから、別に自分の名前が書かれていようと記号が書かれていようと、読む側は「あ、ちょっとミスしたな」と思うだけです。

 とまあ、そこまでは仕方ないところだと思いました。ところが、それからしばらくして、その会社から届いたメールには驚きました。そこには、先ほどのメールのお詫びとして「一部のメールで宛先名が誤表示されていました」と書いてあったのです。
 本当に一部のメールだとしたら、誤表示された対象者にだけ送ればいい話です。したがって、一部も全部もなく「先ほど貴方様にお送りしたメールの宛先名が誤っていたことをお詫びします」とすればいいわけです。
 つまり、典型的な「語るに落ちる」というやつなわけです。実際のところ「全部のメールで誤表示があったが、読む人には障害の範囲が狭かったと思わせるために『一部』と記載した」という事は明白です。
 「一部」と書きたくなる心理は分からなくもありません。しかし、システム会社が見込み客に送付する宣伝メールでこれをやるのは逆効果でしょう。
 私を含め、これを読んだ多くの人は、「この会社の製品を買って、万が一システム障害が発生した場合、小手先の嘘でごまかすような対応をする可能性が高い」と思うでしょう。少々性能が魅力的でも、そんな対応をする会社とつきあうのはリスクが高すぎます。
 まあ、適切な業者かどうかを選定する、という意味では、この「障害並びにその対応」は、メルマガ本文の宣伝文よりもずっと参考になりました。そういう意味では、有益なメールだったと言えるのかもしれません。

2010年01月25日 23:13