2010年01月16日

久しぶりと時の流れ

[ 漫画 ]

 昨日のことですが、仕事で神保町に行きました。ちょうど、秋月りすさんの新単行本「おうちがいちばん」の最新刊の発売日だったので、地下鉄駅すぐ近くにある高岡書店で購入しました。
 最近は神保町が生活圏から外れているのでご無沙汰していますが、この本屋とのつきあいは古く、初めて行ったのは26年くらい前でした。
 それだけ経っていますが、当時も今も漫画専門書店で、店内のレイアウトもほとんど変わっていません。ついでに言うと、店に入ったときに鼻に入る、独特の臭いも変わっていません。そういう事もあり、中に入った時は、当時に戻ったような気分になりました。

 そして、約20年前に秋月りすさんの単行本を初めて買ったのもこの書店でした。それまでも読んでいましたが、特別に好きな漫画家、というわけではありませんでした。ところが、ここで「OL進化論」の第1巻を見て、衝動買いしました。
 軽い気持ちで買ったのですが、読んでみると、その巧さに驚かされました。それがきっかけとなり、今回で通算49冊目の購入となっています。
 ただ、ここ最近は、どうも調子が良くないようです。この「おうちがいちばん」も雑誌連載で規定のページ数を描ける事がかなり減っており、後半部分はたいていは再録です。
 その執筆ペースは内容にも影響しています。もちろん、基本的な実力が高いので、そこそこ楽しく読めました。しかしながら、かつての鋭い感覚や、絶妙のギャグを知っているだけに、一抹の寂しさを感じてしまいました。
 同じ店で同じ作者の本を買ったわけですが、約20年の歳月で、これだけ違う感想を持ったわけです。買った店の雰囲気は変わっていないだけに、より一層奇妙な気分になりました。
 とりあえず、秋月さんには、また執筆量・内容とも本来の調子に戻していただきたいものです。そして、次にこの店で単行本を買う際は、また違う感想を持てたら、と思いました。

2010年01月16日 23:56