2009年12月08日

読んでくれる人

 こことは別に、大学時代に所属したサークルのOB会サイトを運営しています。開設したのは11年前で、各OBの紹介ページなどを作りました。その頃はまだ、卒業してから6年という事もあり、年に何回も現役の飲み会や大会にも顔を出していました。したがって、皆と面識があり、いくらでも紹介文を書くことができました。
 しかし、時が経つにつれ、OB会の活動の参加は続いているものの、現役とのつきあいはだんだんと減っていきました。卒業時の追いコンに顔を出しても、その卒業する人の顔と名前が一致しない、ということも普通になってきました。

 となると困るのがOB紹介ページです。あまり話したことがない人の紹介を書くときなどは、現役生が発行した会報を読みながら、そこの紹介文を編集するよりありません。しかし、これをやるには、かなりの気力が必要です。
 というわけで、卒業式から半年以上経過した先月末にやっと、今年卒業した人の紹介文を書き上げました。
 ところが、それを書きあげた数日後、その新卒の一人が急逝してしまいました。つい半月ほど前も、近い世代のOBたちと飲みに行っていたそうで、あまりの突然な事に皆、驚いていました。
 お通夜に行き、他の後輩達と一緒に、ご両親と話す時間がありました。そのうちの一人が自己紹介をすると、親御さんは、「ああ、○○さんね」と彼のあだ名をいいました。
 皆が驚くと、「実はOB会サイトを見ていました。先日やっと息子の名前が載ったと喜んでいたのですが・・・」と言われました。
 まさか、そのような読者がいるとは思わず、驚くと同時に、自らの遅筆を悔いました。ただ、結果的にですが、生前に掲載できたのはせめて良かったと思いました。今となっては確認する術はありませんが、本人も目を通してくれていれば・・・と思っています。

2009年12月08日 23:52