2009年11月10日

誰向けの報道?

 若い女性が殺害されて、遺体が損壊された、という事件について、連日のように「続報」が流れています。
 そして明日か明後日あたりには、被害者のプライバシーを侵害するような見出しが載った中吊り広告が電車に掲載されると思われます。
 毎度の事ながら、なんでこんな事を延々と報道するのかわかりません。死体の状況がどうであろうと、被害者が誰かが特定されれば、それ以上の情報を流す必要はないでしょう。
 もちろん、それで被害者が浮かばれることもありません。遺族だってそんな情報流されて、悲しみが増すことはあっても逆はないでしょう。そして、このような報道によって、犯人が捕まる可能性が高くなるとも思えません。

 もちろん、商業マスコミですから、売上げが目的で書いているというのは分かります。しかしながら、その観点から考えても、効果があるのか疑問です。別に普段は宅配の新聞紙か読まない人が、このような事件の詳細報道目当てで駅で他の新聞を買うとも思えません。
 もちろん、仮にこのような記事を延々と載せると売上げが増える、というデータが存在したとしても、このような報道をすべきでない事に変わりはありませんが。
 となると、長年の習慣で、とにかくこの類の事件が発生すると、無用な事を大きく報じる、というのが体質となっているのでしょうか。いずれにせよ、理解しがたいものがあります。
 ちょっと考えれば分かることなのですが、今の報道体制が続く限り、このような因習はなくならなさそうです。もっと報道すべき事は山ほどあると思うのですが・・・。

2009年11月10日 21:53