2007年07月16日

先祖の祟り・その二

 以前、一人の「先祖」に対しての子孫の数を考えれば、一人の(もしくは複数の)先祖が特定の子孫に対し、「供養が足りないから祟る」などという事はありえない、という事を書きました。
 まあ、これだけでも十分といえば十分なのですが、別の観点が浮かんだのでちょっと追記します。
 今の日本の家系制度から考えると、ちょっと母系に進むと、すぐに先祖が分からなくなります。それらを調べ、さらに遡って「供養」するなど、どう考えてもできるわけがありません。よほどの名門でない限り、母親の母親の父親の墓がどこにあるか、など知っている人はいないでしょう。

 まさか、父系だけは供養しなければ祟るが、あとの祖先は放っておいても問題ない、などという事はないでしょう。というわけで、結局、「供養で先祖の祟りを防ぐ」なる事は絶対不可能なのです。
 結局、このテの商法は、「振り込め詐欺」と同レベルなのでしょう。冷静に考えれば分かるのですが、予想しない状況で心が落ち着かないところで、予想しないことを言われて、ついつい信じてしまうわけです。
 まあ、いくら広報しても「振り込め詐欺」がなくならないのですから、それより伝統のある「先祖の祟り商法」がなくならないのも無理はないでしょう。それにしても、他人の辛い状況を金にしよう、というのは、本当に嫌な考え方だと思います。

2007年07月16日 22:24