2007年03月24日

開幕戦、突然の豪雨で引き分けに

[ 野球 ]

 いよいよ今年もプロ野球が開幕。マリンスタジアムで行われたマリーンズ対ファイターズ戦に観戦に行きました。地元開幕は一昨年以来ですが、その時の開幕権は、本来開幕権を持っていた近鉄バファローズが潰されたために生じたもの。自力での地元開幕は1996年以来となりました。
 今日は試合開始55分前に観客席に入りました。しかし、既に我が家の「定位置」である二階内野自由席バックネット真後ろ周辺は満席状態でした。当然、そこから一塁方面も満席ですので、少々三塁側にずれ、ちょうどビジターの次打者席の真後ろくらいに位置しました。ちなみに、観客数は3万62人でした。
 試合に先立って開幕セレモニーが行われました。Mスプラッシュなどの踊りの後、スタメン各選手が一人ずつ出てきて並びます。ここで大活躍したのが、開幕ということで北海道から遠征してきたファイターズのマスコット「B・B」でした。ファイターズの選手が呼ばれる時に札幌ドームで見せる「選手の打席姿模写」を、ちょうど座った席の真正面にあたる次打者席で行いました。さらに、マリーンズの選手が呼ばれたら、そちらの模写も披露。最後に9番スタメンの根元選手が呼ばれると「誰?分からない」みたいな形で引きあげるというオチ(?)までつけてくれました。

 その後、提携しているアニメ映画に出演する千葉出身の声優さんが登場。「16年前に千葉に球団が来たとき、こんな人気のある球団にあるとは、まさか思わなかった」と率直な感想を述べ、笑いを誘っていました。
 また、始球式にはかつてのオリオンズの中心打者であり、川崎時代に監督も務めた山内一弘氏が登場。捕手はバレンタイン監督で打者はヒルマン監督と、新旧のアジア制覇監督が出演していました。山内氏といえば、打撃コーチ時代の「教えだしたら止まらない」の頃の記憶しかないため、「始球式で空振りしたヒルマン監督に打撃指導」というようなギャグが一瞬、頭をよぎりました。しかし、今の山内氏はそのような事がとても出来るような状態ではなく、大毎オリオンズ時代のユニフォームを着てマウンドまでたどり着くまで一苦労、という感じ。投球もマウンドから数メートルでバウンドしていました。選手時代は知らないとはいえ、監督・コーチとしての活躍はリアルタイムで知っていただけに、その衰えぶりは見ていて寂しいものがありました。

 さていよいよ試合開始。先発は清水直行投手とダルビッシュ投手でした。着席時にあらかじめ依頼があったのですが、今回は選手が守備につく際に、ファンがそれぞれ白と黒の紙を持って、観客席を縦縞に染め上げる(?)という趣向がありました。確かに、二色に染まった観客席というのはなかなか壮観でしたが、開幕戦の時くらい、守備につく選手をゆっくり見たかった、というのが本音です。あと、紙も勿体ないですし・・・。
 さて、清水直投手ですが、立ち上がりからいきなり連続三振。三番に入った稲葉選手もフライに打ち取り、上々の滑り出しを見せます。
 対するマリーンズは2番にベニー選手を入れるというやや意表のオーダー。これでベニー選手は、来日以来、一番から六番まで(八番もあったかもしれませんが)こなした事になります。また、昨日書いた根元選手とともに、大松選手も初の開幕スタメンとなりました。四番には移籍のズレータ選手が入っています。
 その新打線に対し、ダルビッシュ投手の投球は冴え、初回は三者連続内野ゴロ。しかも福浦選手のバットをへし折りました。続く二回も、刀を抜く仕草を見せて移籍後初打席に入ったズレータ選手のバットをまたもやへし折るなど、これまた三者凡退に抑えます。
 一方、清水直投手は二回に安打と失策で1死1・3塁とされますが、そこから連続三振。2回までで5三振を奪います。ところが続く3回、森本選手に三塁線を抜かれる二塁打を打たれると、続く田中賢選手の適時打で先制され、さらに2死1・2塁から木元選手に詰まりながらも左前に落とされ、2点を失います。
 それに対し、打線はダルビッシュ投手の前に3回までの一巡で走者を出せません。4回にベニー選手がバットをへし折られたあと、福浦選手に安打が出てやっと初の走者を出しますが、ここも後続がありません。
 3回だけ悪かった清水直投手ですが、4・5回は三人で抑えます。しかし、攻撃陣は5回裏に先頭の里崎選手が安打で出て初めて無死の走者を出しますが、結局併殺もあって三人で終わり、屋外試合が苦手なはずのダルビッシュ投手をとらえる事ができません。
 そして迎えた6回表、2死1塁で打席には、昨年一度戦力外通告されながら、再雇用を経て開幕スタメンを獲得した坪井選手が登場。左翼方面に放った打球をベニー選手が捕りきれず、大きな追加点となる適時二塁打となります。さらに金子誠選手も適時打で続き、4対0に。続く森本選手に安打されたところで、清水直投手は降板となりました。
 この2死1・2塁で打席には本日2安打1打点の田中賢選手という危機に登板したのは、二年目の川崎投手。結果によっては即二軍降格もあるところですが、ここを内野フライに打ち取ります。

 まだ4回あるとはいえ、ダルビッシュ投手の出来からかなり厳しいと思われた6回裏、しかしここで先頭の今江選手がファウルで粘り、2-3からの10球目を中前に弾き返します。さらに、1死からTSUYOSHI選手が投手強襲となる安打で出塁、そして2死後に福浦選手がこの試合チーム初となる四球を選び、2死ながら満塁とします。
 ここで打席にはズレータ選手が登場。初球の直球を弾き返すと、風速8mの逆風をものともせず、低い弾道の打球はバックスクリーン左翼寄りに突き刺さります。マリーンズ移籍初安打は、あまりにも大きい同点本塁打となりました。まさに作ったような一発に、私も含め、観客席は普段の得点時以上に盛り上がっていました。
 入団以来、「パナマウンガー」に続く、新パフォーマンスを披露すると予告していたズレータ選手ですが、開幕戦で早速見る機会が訪れました。というわけで、ベンチ前を注視していました。すると、ホークス時代の「サムライポーズ」の後、両手を挙げて伸び上がっていました。後で聞いたところによるとこれは「幕張ファイアー」という名前だとか。マリンスタジアムのある幕張と、球場名物の花火をひっかけたと思われます。一昨年プレーオフ第3戦の同点押し出し四球や、昨年7月27日の逆転サヨナラ2ランなど、これまでは「幕張(の防波堤を)ファイアー」させていた人が、マリンスタジアム一塁側ベンチ前で「幕張ファイアー」をしてくれたわけです。そう考えると、改めて「同一リーグ球団の強打者の移籍」というのがいかに大きいか、と痛感させられました。
 というわけで、試合の流れは一変。川崎投手はプロ初勝利の可能性を残して続く7回のマウンドに上がります。三番から始まる好打順ですが、先頭の稲葉選手を打ち取ります。続くセギノール選手には、打った瞬間、「行ったか」という当たりを放たれますが、高く上がった事もあり、風に戻されます。ところがこれを大松選手が取れず、失策となって1死2塁に。しかし、続く本日打点を挙げている木元選手も打ち取り、続いて右の高橋選手が打席に入るも続投となります。その高橋選手を2-2まで追い込みますが、ここで7回から降り始めていた雨が激しくなります。我々の座っている席は、屋根の下にあり、本来なら雨が降っても普通に座っていられるのですが、そこにも雨が吹き込んでくるほどです。そのため、試合は中断となりました。

 中断した当初は、直前のズレータ選手の同点満塁打を、大画面で再現しつつ、ズレータ選手の応援歌を流していました。それに続いて流れた曲はなぜか「カモメが跳んだ日」でした。それはともかく、途中から大画面は今度は三塁側ベンチ内の森本選手を映し出します。なんか、タオルを肩にかけて妙な動きをしていました。そして、サビの「カモメが跳んだ」の所になると、森本選手は、雨のなかベンチを出て、タオルを翼に見立てて跳ぶ真似を始めました。これには左翼席のみならず、残ったマリーンズファンにも喝采を浴びていました。なお、森本選手は、二番のサビのところでも、再び「跳んで」いました。
 その後も雨がおさまる気配はありません。そこで続いて登場したのは、選手紹介さらには5回裏のグランド整備時にも活躍した「B・B」でした。本塁で得意の「打席形態模写」を見せると、一塁へ走り出します。そのまま、二塁・三塁をまわり、本塁へヘッドスライディングをやってくれました。諸積現二軍コーチの「後継者」が意外な所から出現したとでもなるのでしょうか。
 さらに、開会式に出演した人がヘッドスライディングをした後、「B・B」にうながされる形で、マリーンズのマスコット「マーくん」が登場。構造的には走りづらい「体格」なのですが、何とかダイヤモンドを回りきります。最後は本塁に足から滑り込みました。
 その後も、「B・B」の運転するトラックに「マーくん」が乗って球場を一周する、というようなサービスも行っていましたが、雨のおさまる気配はありません。結局、再開されることなく、コールドゲームに。4対4の引き分けとなりました。
 というわけで、今日は試合外においては、完全に「B・B」に主役を奪われた感じでした。さすがは、昨年のアジア王者なだけの事はあります。マリーンズマスコット陣の今後の反撃(?)が期待されるところです。
 というわけで、意外な形で2007年の開幕戦は終わりました。試合のほうは、立ち上がりのダルビッシュ投手が良すぎただけに、追いつけてよかった、という感じです。さらに、ズレータ選手の満塁本塁打を見ることができたのも大きな収穫でした。
 あと、2007年版応援ですが、「牽制球ブーイング」の廃止は大変いい傾向だと思います。ただ、球団が推奨している「旗振り応援」はどうかと思いました。あれは、「ライオンズ独特の風習」という事でいいのでは、という気がします。また、攻撃中に旗を振られると、試合が見づらくなります。まあ、慣れるまでの違和感なのかもしれませんが・・・。
 というわけで、なんとか今年も開幕戦を観戦することができました。明日の先発は小林宏之投手とグリン投手とのことですが、午前中から昼にかけて雨との事。何とか開催にこぎつけてほしいものです。

 福岡のホークス対合併球団は斉藤和投手と川越投手が先発。斉藤和投手がローズ選手に2ランを喫するなど6回途中4失点で降板。そして同点で迎えた9回に藤岡投手が打たれて勝ち越され、さらに二コースキー投手から村松選手が2点適時打を放って計4点。その裏、ホークスも多村選手のこの日2本目の本塁打で反撃するも、結局8対5で合併球団が逃げ切りました。ホークスの開幕戦敗戦は2001年以来との事です。観客数は3万5千1百人ほどでした。
 所沢のライオンズ対イーグルスは西口投手と岩隈投手が先発。岩隈投手は3回まで1安打でしたが、4回2死から和田選手を歩かせると、オープン戦から絶好調のリーファー選手・GG佐藤選手に二打席連続本塁打を喫します。その後イーグルスも、6回には草野選手のプロ初本塁打などで1点差に迫るも、直後に和田選手に本塁打が出てライオンズが突き放します。最後は小野寺投手が抑え、5対3でライオンズが勝っています。観客数は2万2千8百人ほどでした。

2007年03月24日 22:10