2006年09月24日

効率のいい逆転勝ちで諸積選手の引退試合を飾る

[ 野球 ]

 今季最後となるマリンスタジアム公式戦・マリーンズ対ファイターズを観戦に行きました。12時15分くらいに幕張本郷駅からバスに乗ったのですが、バス停では「当日券は全て売り切れで」すと係員が拡声器で言っていました。
 というわけで、開始20分くらい前に球場に着いたら、自由席はほぼ満員状態。ちょっと早めに着いた嫁さんが席を取っていたのですが、毎度愛用している、内野自由席2階で日の差さない屋根の下はすでに塞がっており、強力な日差しを受けながら観戦する事になってしまいました。
 試合のほうは、清水直行投手と金村投手が先発。マリーンズは本日を最後に引退する諸積選手を1番中堅手で登場させました。1回表は三振と一塁および右翼へのフライで三者凡退。残念ながら諸積選手の守備機会はありませんでした。
 その裏、先頭で打席に入った諸積選手は見逃しとファウルで2-0となった後の3球目を見事に左前に落とす安打を放ち、有終の美を飾り、ここで竹原選手と交代しました。その後、内野ゴロとボークで2死3塁としましたが、先制はできませんでした。

 直後の2回表、先頭のセギノール選手が安打で出塁するも、内野ゴロと盗塁失敗で2死無走者に。しかしここから清水直投手は新庄選手を歩かせてしまい、続く高橋選手に6号2ランを打たれて先制されます。
 しかしその裏、今江選手と昨日のヒーロー・大塚選手の安打で2死1・3塁とし、9番に入っている西岡選手の適時打で、マリーンズもすかさず1点を返します。
 3・4回はともに0点でしたが、5回表にファイターズは先頭の高橋選手が安打し、犠打で進むと、直前の守備で併殺を防ぐスライディングを受けてしばらく倒れていた金子選手が適時打を放って1点追加。さらに1死1・3塁から田中賢選手の適時打でもう1点を加えられます。しかし、清水直投手は続く小笠原選手を併殺に打ち取り、大量点にはしませんでした。
 とはいえ、この2点追加は大きく、ファイターズペースかと思いました。しかしその裏、1死から堀選手が安打し、2死から四球とベニー選手の安打で満塁に。ここでファイターズベンチは、何とあと1アウトで5年連続二桁となる勝ち投手の権利を得る金村投手を降板させます。そして押本投手を投入しますが、この采配は裏目に。今江選手が右中間を抜いて走者3人が生還。本人は3塁手前でアウトになりましたが、一挙に同点とします。
 これで勝ち投手の可能性が戻った清水直投手ですが、直後の6回表にいきなり2連打で無死1・2塁と即座に勝ち越し機を作られてしまいます。しかし、続く新庄選手が2度バントを失敗した後、先ほど本塁打の高橋選手も抑え、結局0点に終わります。
 そして7回は三者凡退で抑えて迎えた7回裏、3番手の伊藤投手に対し、先頭の竹原選手がプロ2本目の安打で出塁、ここで打席は二番の堀選手。普段ならヒットエンドラン系の作戦を立てるところですが、ここではバントの構えから四球を選びます。ここでファイターズは岡島投手を投入し、打席には福浦選手。そして何とここで福浦選手も犠打で走者を進めます。続く里崎選手が敬遠で満塁となり、打席にはベニー選手が。そして3球目を捕らえると、打球は左翼ポール近くに。入った直後にベニー選手はバットを高々と放りあげるほどの鮮やかな満塁本塁打で、マリーンズが一気に4点を勝ち越しました。
 8回からは3番の小笠原選手からという事で藤田投手が登板。2死を奪いますが、そこから稲葉選手が安打します。ここで打席には新庄選手。普段なら藪田投手ですが、先週胸に打球を受けた時の痛みがひかず、昨日登録抹消されています。そこで藤田投手が続投しますが、安打されて2死ながら1・3塁となります。たまらずマリーンズは3番手投手を投入します。
 予想では、藪田投手と入れ替わりで上がった神田投手かと思っていたのですが、場内に流れた選手名はミラー投手。場内は驚きをふくんだようなどよめきが起きました。確かに今月に一軍復帰してからは好成績を残し、二軍降格時に29だった防御率10ちょっとまで下げていますが、いずれも負け試合です。というわけで荷が重いのでは、と心配になりました。しかし、高橋選手は歩かせて一発出れば同点という危機を作りますが、続く代打・小田選手を打ち取り、何とか凌ぎ、結果的には来日初ホールドを挙げる形になりました。
 そして9回表には4点差で小林雅英投手が登板。3人を完璧に抑え、マリーンズが8対4で勝ちました。4点差のため、セーブがつかないので、登板した瞬間にマイケル中村投手の単独セーブ1位が決定した形になりましたが、小林雅投手にとっては「数字よりチームの勝利」なので関係ない話でしょう。
 これでマリーンズが本拠地最終戦を白星で飾り、ファイターズは今月初の連敗となりました。マリーンズが2度の満塁で計7点を取るという効率のいい攻撃をしたのに対し、同じ11安打を放ちながらファイターズは6回の無死1・2塁に8回の2死満塁を生かせないという、今季のこれまでの両チームが入れ替わったような試合でした。やはり1位通過さらにはその先のプレーオフへの重圧があるのでしょうか。また、粘りの投球を見せた清水直投手は9勝目。5年連続二桁勝利をかけて来週10月1日に仙台のマウンドに立つと思われます。今季最終戦の観客数は今季2番目となる3万56人で満員御礼との事でした。

 試合終了後は全選手が並び、バレンタイン監督による本拠地最終戦の挨拶がありました。このとき、なぜか本塁ベース周辺にシートが敷かれていました。そして続いて諸積選手の引退セレモニーとなりました。オーロラビジョンで13年間の活躍が流れます。そして花束贈呈の後、諸積選手が挨拶します。そこで印象に残ったのは「最初にお願いした通りこの試合に勝って良かった」というものでした。7回に普段あまり見られない堀選手さらには福浦選手がともにバントを狙ったのは、その想いに応えようという意思なのかも、と思いました。
 その後紙吹雪の舞う球場を一周します。ここまでは昨年の初芝選手や4年前の平井選手と同じですが、その後、最後の一幕がありました。
 先ほど、本塁ベースに敷かれたシートの上に、マスコットの「クール」が水をまきます。そして、最後となる諸積選手の「得意技」である、雨天中止時のベース一周が始まりました。ウグイス嬢の「一番・センター諸積」の声にあわせ、打席に立ち、内野ゴロを打ったのか、一塁へヘッドスライディング。そしてリードをし、一度牽制で塁に戻った後、盗塁を敢行し二塁へ再びヘッドスライディングします。続いて適時打が出たのを見ると、三塁ベースをまわり、そして本塁ベース上のシートに水しぶきを上げてのヘッドスライディングを行いました。引退セレモニーで「雨天中止パフォーマンス」を行ったのは、もしかしたら初めてではないでしょうか。
 その後再度、本人の挨拶が。「普通に引退させてください」と言って笑いを取った後、「でも最後に水の上を滑れて幸せでした」と言っていました。
 また、セレモニー終了後は最終戦恒例のエール交換。セレモニーの間も残ってくれていた左翼席のファイターズファンがマリーンズコールをした後、マリーンズファンよりファイターズコールがありました。こうなったらファイターズに優勝してほしいという気持ちがあるので、残り2試合およびプレーオフは頑張ってほしいものです。
 というわけで、今季の公式戦観戦は全て終了。私が観戦した試合の通算成績は12勝7敗でした。チームが負け越している事を考えると、かなりの観戦運がいいと言えるでしょう。いろいろと忙しくなるので、来年はさらに時間が取れなくなる予定ですが、少しでも多く球場に足を運びたいものです。

 仙台のイーグルス対ライオンズは有銘投手とギッセル投手が先発。初回に暴投で先制したイーグルスが3回にフェルナンデス選手の28号ソロで追加点を挙げます。しかし4回にライオンズも和田選手の19号ソロと野田選手の適時三塁打で同点として有銘投手をKO。なお二死満塁と迫りますが、勝ち越せません。すると6回に2死満塁から代打・飯田選手の適時内野安打でイーグルスが勝ち越し。8回にも1死1・3塁から飯田選手がまたもや適時打を放ちます。一方、4回の危機からマウンドに上がった山村投手が8回途中までライオンズ打線を抑え、以下河本投手・福盛投手の継投でイーグルスが4対2で逃げ切りました。山村投手は7勝目を挙げるとともに、年間の規定投球回数に到達しました。また、福盛投手は20セーブ目を挙げています。観客数は2万人ほどでした。
 福岡のホークス対合併球団は新垣投手と中山投手が先発。4回に仲澤選手の内野フライを捕手と三塁手がお見合いして「適時二塁打」となり、ホークスが先制します。一方の新垣投手は6回まで無安打投球をします。しかし7回1死から先頭の代打・村松選手に初安打されると、失策で1・2塁となり、水口選手の代打適時打で同点に。さらに代打・塩崎選手の9号3ランで勝ち越した合併球団が打者一巡でこの回計5点と一気にひっくり返します。ホークスも完投勝利のかかる中山投手に対し、中軸の3連打で1点を返しますが反撃もここまで、以下荻原投手と山本投手の継投の前に3人で終わり、合併球団が5対2で勝利。昨日プロ初セーブを挙げた山本投手が早くも2セーブ目を挙げました。観客数は3万4千4百人ほどでした。

 この週末は上位3球団がそれぞれ下位3球団と当たったわけですが、結果は下位球団の6勝1敗でした。1試合多いライオンズが唯一の勝利を挙げたため、ライオンズの1位通過マジックが2となる形になりました。
 さて、来週の火・水曜にファイターズとホークスは札幌で直接対決。ファイターズが連勝してライオンズが1勝1分以下ならファイターズが1位通過となります。また、ライオンズが連敗してホークスがファイターズ戦に連勝し、さらにイーグルスにも勝てば大逆転の1位通過となります。新庄選手のレギュラーシーズン最後の試合という事もあり、かなり盛り上がりそうです。既にこの連休前に、札幌のチケットは完売状態との事です。
 というわけで問題はライオンズが火・水曜に連勝できるかどうかが大きな意味を持ちます。そのライオンズが1位通過をかけて当たる最後の2連戦の相手はマリーンズです。敵地でしかも、うち1試合は松坂投手が登板するわけですが、先述したように、上位3球団の中ではファイターズを応援していることもあり、何とか昨年優勝チームの意地を見せるような試合内容と結果を期待したいものだと思っています。
 なお、今日の試合で残り8試合を残してパリーグの観客動員の合計がが昨年を上回っています。今年の上位三球団の激しい優勝争いもあるのでしょうが、それ以上に各球団がファンの満足度向上に頑張った結果もあるのでしょう。いずれにせよ、嬉しいことです。

 東京ドームの読売対タイガースは姜投手と福原投手が先発。初回に初回に死球と安打で2死1・3塁としたタイガースが暴投で先制します。その後、タイガースは2度の無死1塁を生かせないなど、姜投手を攻略しきれませんでしたが、5回に先頭の赤星選手とシーツ選手の安打で1死1・3塁とすると、金本選手と浜中選手の連続適時打で3点を追加します。福原投手はテンポのいい投球で読売打線を抑え、4・5回にともに無死から連打されますが、藤本選手の再三の好守備もあり、6回の1点のみに抑え、7回まで投げて8安打ながら無四死球で、防御率も少し下げています。その後はウイリアムス投手と藤川投手のリレーで読売打線を抑え、タイガースが4対1で勝ち、今月2度目の5連勝を達成。ドラゴンズが負けたため、ゲーム差は3に。先週直接対決で無安打無得点を喫して6ゲームとなった差を1週間ちょっとで3縮めたわけです。先週の時点ではほとんどあきらめていましたが、こうなると本当に、大逆転優勝が現実味を帯びてきました。観客数は4万5千人ほどでした。
 神宮のスワローズ対ドラゴンズはゴンザレス投手と朝倉投手が先発。初回にいきなり岩村選手の右翼ポール直撃の30号2ランで先制したスワローズが2回には青木選手の11号2ランで4対0とします。一方、ゴンザレス投手は3回まで完璧に抑え、4回2死から福留選手に喫した初安打が29号ソロとなって1点を失いますが、その後もドラゴンズ打線を抑えます。結局4対1でスワローズが勝利。ゴンザレス投手は4安打無四球の1失点完投で9勝目を挙げています。観客数は2万1千2百人ほどでした。
 広島のカープ対ベイスターズは大竹投手と門倉投手が先発。ベイスターズ2点リードで迎えた5回にカープが一気に3点取って逆転しますが、6回にベイスターズが同点に。そして迎えた8回表に石井選手に勝ち越し適時打が出て、9回はクルーン投手が抑え、ベイスターズが4対3で勝っています。観客数は1万3千2百人ほどでした。

2006年09月24日 21:50