2006年09月25日

金村投手、PO出場停止

[ 野球 ]

 昨日の試合終了後に、4回2死で降板となったファイターズの金村投手が采配について激しい言葉で監督批判を行いました。それに対して球団は罰金200万円とプレーオフ出場停止、という処分を発表しました。
 ちょうど野球を見始めた頃、当時タイガースに在籍していた江本投手が首脳陣批判をし、それがきっかけで引退した、という事がありました。しかし今回の件は、チームが25年ぶりの優勝を争っている中で起きただけに、衝撃度はより高いかもしれません。
 球場で見ている限りでは、昨日の金村投手は80km台の変化球の直後に141kmの直球をズバリ決めるなど、エースらしさも感じましたが、全般的には良さそうには見えませんでした。5回の交代の時も、「4回2/3というのは勿体ないけど、やはりここは押本投手だろうな。これが優勝争いをしているチームだよな」などと思っていました。
 したがって、交代に不満を感じた事自体にも違和感がありました。そして、当然ながら、このチーム一丸となって優勝を目指しているはずのこの時期にあの発言、という事に驚かされました。

 ところで、この発言を知った時、一年前のある「失言」を思い出しました。ちょうど一年前のこの時期、千葉でマリーンズとホークスの4連戦がありました。この時点で両チームのゲーム差は5ゲーム差でした。したがって、この4連戦の結果によっては、ホークスに「プレーオフに1勝差がつく5ゲーム差確定マジック」が点灯してしまう危険性がありました。しかし、逆に4連勝すればゲーム差は1に。しかもマリーンズの次の相手が最下位決定のイーグルスなのに対し、ホークスはまだプレーオフ進出が決まっていないライオンズが相手なので、逆転での一位通過も夢ではなくなります。
 もちろん、地元も大盛り上がりで、我が家もこの4連戦全てを観戦することを早々と決めていました。
 ところが、その連戦を前にしたTVのインタビューで、チームのエースであり、最終戦の登板が予想されていた清水直行投手は、事もなげに「4連勝は無理でしょう」と答えたのでした。
 そして連戦が開始。マリーンズは0対5からそこまで15勝1敗だった斉藤和投手を打ち込んでの追いつく逆転勝利や、4回まで無走者に抑えられながら5回に一挙8点を取っての大勝など、派手な勝利で「三タテ」を達成しました。しかし、続く第4戦で登板した清水直投手は序盤で3本塁打されるなどメッタ打ちをくらい、自らの「予想」を実現させてしまい、シーズン1位通過もほぼ絶望となりました。
 当然ながらファンからは大ブーイング。そして開幕投手で二桁勝ったにも関わらず、プレーオフのローテーションは第2ステージ第2戦からという「4番手」に格下げされました。
 しかし、それで目が覚めたのか、その試合で好投して勝利投手に。それが認められて日本シリーズでは再び開幕投手に復帰。7回1失点で濃霧コールド完投勝ちし、日本シリーズの流れを作りました。
 もちろん、二つの発言の重大さは全然違います。とはいえ、ほぼ同じ時期に「エース」からこのようなファン心理に水を差す一言が出たというのは興味深いところがあります。
 ともにそれまで2004年を除けば「優勝」と縁のないチームで奮闘し、毎年二桁勝利を挙げ続けてきたわけです。それが、チームやファンが優勝争いで盛り上がる中、自分はそこそこの数字は残せているものの、満足できる内容ではなく、ファンやマスコミの扱いも「脇役」的な感じでした。さらに、例年だと個人成績に専念する9月末です。もちろん、表層意識では「チームの優勝のために頑張らなくてはならない」と認識しているのでしょうが、心のどこかに他人事みたいな冷めた意識があったのではないでしょうか。

 そして、その「大ブーイング」以降の清水直投手は、かなり変わったように感じます。それまで、球団誌の連載で、営業部門のちょっとした失態を活字にして批判するといった「ズレ」を感じたりもしました。しかし、今年になって始めたブログではかなりの変化が感じられました。その発言からもエースらしい風格とチームの仲間をはじめとする他人に対する気遣いが伝わってきます。
 金村投手の場合、プレーオフでの挽回はできない形になりました。しかし、日本シリーズでの登板について、球団側は言明しませんでした。逆に言えばそこで挽回できる可能性もあるわけです。
 そういうわけで、ファイターズには是非頑張ってプレーオフを通過してもらい、金村投手に挽回の場を作って欲しいものだと思っています。

 ところで、今日は高校生ドラフトがありました。マリーンズは八重山商工の大嶺投手をホークスとの抽選に勝って交渉権を得ました。再放送で見ましたが、バレンタイン監督のくじを引くときの激しい身振りはかなり印象に残りました。本人は「ホークス一筋」的な発言をしていましたが、できればマリーンズに来てほしいものです。また、話題の駒大苫小牧の田中投手はイーグルスが、愛工大名電の堂上選手はドラゴンズが交渉権を得ました。こちらはともにすんなり入団しそうな感じです。順当に行けば堂上選手は父・兄に続き、家族で三人目のドラゴンズ入りとなります。

2006年09月25日 23:56