2006年04月09日

両軍あわせて16四死球の荒れ試合を制する

[ 野球 ]

 マリンスタジアムにマリーンズ対イーグルス戦を観戦に行きました。先発はバーン投手と朝井投手。バーン投手は初登板は自滅に近い形で2回7失点、二度目の登板は失策や不運な内野安打があったものの、5回3自責点で敗戦と2連敗中です。試合前は、今日ダメだったら先発失格を通り越して登録抹消もあるかと思っていました。なお、開幕直後に足を痛めた橋本選手が一軍復帰で即スタメン。代わりに垣内選手が降格しました。
 さてバーン投手ですが、初回、先頭の鉄平選手をいきなり歩かせます。そして内野ゴロ二つで3塁に進まれた後、フェルナンデス選手を歩かせます。しかし、続く吉岡選手は打ち取り、なんとか0点に抑えます。
 その裏、サブロー選手が1死から歩き、福浦選手の安打で1・3塁。続くベニー選手の内野ゴロが併殺崩れとなって、マリーンズが先制しました。

 バーン投手は制球が定まらないものの、3回まで3四死球ながら無安打投球をします。ところが4回、先頭のフェルナンデス選手を2-0から歩かせ、続く吉岡選手のライナーは今江選手の美技でアウトにしたものの、礒部選手にも2-0から四球と、危機を拡げます。ここで、昨日適時打を放っている山崎選手が適時二塁打を放ち初安打が同点打になってしまいます。さらに二死後、暴投が出てあっさり逆転されてしまいました。
 イーグルスの朝井投手も、バーン投手に劣るとも勝らぬ制球難で、四球を連発します。しかし、1回裏の先制後に安打と四球で満塁としてから得点できず、3回も安打で出た福浦選手が牽制悪送球で三塁に進みますが、ここも得点できません。
 しかし逆転された直後の4回裏、簡単に2アウトになりますが、そこから西岡選手が四球で出塁して盗塁します。ここのところ3回連続で失敗していただけに、久々の成功となりました。そして続くサブロー選手がすかさず適時打。効率よくあっさり追いつきます。そして続く5回にはフランコ選手が右中間スタンドに今季1号をたたき込み、再び勝ち越します。しかし、さらに死球二つと四球で満塁と、またまた好機を得ますが、先ほど適時打のサブロー選手が倒れ、突き放せません。ちなみにこの回、早坂選手は死球が当たった上に出塁したら牽制球まで当たるなど、不運でした。なお、朝井投手は同じPL学園の同期である今江選手にもぶつけていましたから、悪意のたぐいでなく、単に制球が悪いだけかと思われます。
 勝ち越した直後の6回表に、バーン投手がこの試合両チーム初の三者凡退に抑えます。そしてその裏、福浦選手とベニー選手の連打で無死1・3塁とし、フランコ選手の二打席連続打点となる適時打で1点追加、やっと朝井投手を降板に追い込みます。なお、朝井投手は6回途中で148球でした。そして二番手で連投となる青山投手に対し、犠打と敬遠などで満塁とし、2死満塁から代打の井上選手が内野安打を放ち、3点リードとなりました。

 この表裏の攻防で、やっと流れがマリーンズに来たと思ったのですが、直後の7回表に、バーン投手がこの試合3度目となる先頭打者への四球を出します。次の沖原選手を打ち取ったところでバーン投手は降板。「1安打ピッチング」なのですが、快投とはほど遠い7四死球でした。とはいえ、7回途中まで2失点に抑えたのですから、次回につながる投球だったとも言えそうです。
 ここで左の鉄平選手という事もあり、藤田投手が登板しますが、これが大誤算。3連打で2点を返され、再び1点差となりなお1死1・3塁で打席にフェルナンデス選手を迎えます。ここで一度井上投手コーチがマウンドに近寄り、監督も審判に何かをいいます。そして、場内放送で「ピッチャー、藤田に代わり、藪田」と流れ、スコアボードの名前も変わり、藪田投手の曲が流れ、リリーフカーの門が開きます。ところが、車も出てこず、マウンドでは藤田投手がそのままいます。しばらくして、「ピッチャー、そのまま藤田」みたいな放送が流れ、試合再開となりました。イーグルスからの抗議がなかったところを見ると、単なる球場運営側のミスなのでしょうか。やや不思議な場面でした。(追記)何の説明もなかったので球場では何が起きたか理解できなかったのですが、「プロ野球ニュース」によると、一度交代を告げたものの、監督だかコーチだかのマウンドに上がる回数の規定に違反したとの事で、イーグルスから抗議があり、交代が認められなかったとの事です。(追記ここまで)
 というわけで、一打同点、長打が出れば逆転というところでフェルナンデス選手との対戦。しかしここで藤田投手が併殺打に打ち取ります。
 これでやっと流れを完全につかめたのか、その裏、先頭のサブロー選手が安打で出塁し、暴投で一気に三塁へ。ここで福浦選手が、この試合4安打目となる適時打を中前に放ち、再び2点差とします。そして8回は藪田投手が3人を完璧に、9回は小林雅英投手が長打を一本打たれるも、後は抑え、6対4で勝ちきりました。
 14残塁という大拙攻、相変らず四球の多いバーン投手、最後に本来の実力を見せはしたもののどうも調子をつかめない藤田投手と、不安点も多々ある試合でした。とはいえ、とにもかくにも勝ち試合を見ることができたので、良かったと思うべきでしょう。観客数は2万2千9百人ほどでした。

 ところで、今日もいつもの「2階内野自由席・本塁ベース真後ろ」で観戦したのですが、席運が最悪でした。すぐ後ろにいる二人が、知ったかぶり野球通でしかも選手をけなす「自称評論家」なのです。
 これがまだ、失敗した選手をけなすなら、不愉快なまでも、理解できない事はありません。私だって、このページで選手批判みたいな事を書いたりもします。しかし、この連中は、自らの知識の浅はかさと、それが試合によって明らかになっても、その歪んだ認識を正さず、大声で自己正当化をはかりつつ、選手に失礼な事を言うのです。
 たとえば3対2からフランコ選手の適時打で4対2となった6回裏、なお無死1・2塁で今江選手が犠打をすると、その采配を「後続が打てないのに、わざわざアウト一つ増やすなんて」とけなします。そして次の橋本選手が0-2とし、ここでイーグルスが敬遠を選択すると、同様の事を言って、こんどは相手の采配を批判します。ところが、続くパスクチ選手は内野ゴロで本塁封殺。これはタッチプレーだったらセーフでした。つまり、敬遠が功を奏したわけです。さらに、井上選手が内野安打で1点を追加。当然ながら、犠打で走者を進めていたから、これが適時打となるわけです。つまり、犠打も敬遠もどちらも適切な采配だったわけです。
 ところが、それに対し、今度は井上選手の内野安打を「しょっぱい」などと言い出す始末。プロレスなどでは「しょっぱい試合」というのは駄目な試合という事です。野球用語にはないのですから、それを意味しているのでしょう。
 それにしても、内野安打が「しょっぱい」ならば、その俊足で大量の内野安打を生み出して、メジャー新記録の262安打を放った2004年のイチロー選手も「しょっぱい記録」なのでしょうか。まあ、このような連中なら、平然と「その通り」とか言いそうですが・・・。
 そしてとどめは7回表に1点差に迫られた時でした。先述したように、謎の誤場内放送ベンチのミスがあり、試合が止まった後、藤田投手が続投となりました。これに対し、「WBC組はどうも駄目だ」とか「これで藤田の気持ちも切れたはず。ベンチも何をやっているんだ」などと、直前の采配批判が180度間違っていた事を忘れたのか、また偉そうな事を言い出します。そして、彼らの「予想」はまたしても大外れとなり、藤田投手はこの危機を併殺で脱します。すると、今度はいきなり「ありがとうフェルナンデス」などと相手打者の批判を始めました。あまりの言動の品のなさ、および「痴性」の高さにさすがに呆れ果て、席を移ることにしました。新しい席で、普通に応援しているファンの声を聞いていると、通常の事のはずなのに、それだけで嬉しく思えてきたほどでした。
 これほど不快な客にマリンで遭遇したのは、昨年7月17日の対合併球団戦以来でした。その時は、合併球団が勝ち、ケビン投手(当時)が勝利投手でした。もちろん単なる偶然なのですが、彼が勝利投手になりそうな時は、座る場所に細心の注意を払おうと、心底思いました。

2006年04月09日 23:10