2009年08月09日

大阪ドーム今季初勝利の試合を観戦

 大阪ドームで行なわれた、合併球団対千葉の試合を観戦しました。大阪ドームに行くのはこれが初めてです。また、甲子園で高校野球をちょっと見たあと、こちらに移動しました。一日に二つの野球場に入るのもまた初めての事でした。
 今年3月に開通した、阪神なんば線の「ドーム前」駅で降り、長いエスカレーターを登って外に出ると、大阪ドームが見えました。
 敷地に入ったのですが、どこで入場券を買えばいいかが今ひとつ分かりませんでした。まあ、千葉マリンスタジアムの場合も、バス停を降りた所では、チケット売場の案内がなく、初めて来た人にはかなり不親切な構造・案内になっているので、あまり人の事を言えませんが・・・。

 灼熱の日差しの中、チケット売場を探して歩くのはしんどいので、いったん、目の前にあるグッズ売場に入りました。そして相方に頼まれた土産を買ったあと、昼食を買い、改めてチケット売場を探しました。基本的に、各入口の脇に、そこから入れる券を売る窓口がある、という構造でした。
 というわけで、球場に沿って歩いていたのですが、一塁側外野4階席と内野自由席は既に満員との事。今回は「大阪夏の陣」なる企画を行なっており、その効果もあって、珍しく人がつめかけているのだろうか、などとその時は思いました。
 そして外野席の券を買いました。大阪ドームは外野席が4階と5階に別れています。少しでも下の方が見やすいだろう、と思って最初は4階席に行ったのですが、千葉ファンはちらほらしかおらず、一方で、今回の企画で配られた応援服を着た合併球団ファンが少なからずいます。
 雰囲気的にはマリンスタジアムの三塁側内野自由席を逆にした、といったところでしょうか。あまり居心地が良さそうではないので、5階席に移動。こちらはマリンスタジアムの右翼外野席と全く同じ雰囲気でした。
 ところで、この外野席ですが、中堅から左翼にかけてのフェンス際のあたりを見ることができません。外野席にいて外野に飛んだ球が見れない、という球場はなかなかないでしょう。設計に問題があるとしか言いようがありません。実際、試合では重要な得点につながる打球が見えなくなり、走者の動きを見て結果を想像する羽目になりました。
 さて、先述したように、この三連戦は「大阪夏の陣」と銘打っています。この戦は、大阪に城を構えていた豊臣家が、関東に本拠を置く徳川家に滅ぼされた、というものです。それを、関西に本拠地を置く球団がやるのはどうか、と思いました。まあ、かつて関西の鉄道会社が経営していた二つの球団が、関東にあるリース会社に滅ぼされた、とも言える過去の経緯があります。そう考えてみると豊臣家滅亡にと共通点があるな、と思いました。もちろん、球団側 がそう思って企画したわけではないでしょうが・・・。
 で、その「夏の陣」の中身ですが、最大の特徴は、外国人選手を漢字表記にすることにあるようです。ローズ選手は、近鉄バファローズ時代についたニックネームである「狼主」、カブレラ選手は台湾時代の表記である「亜力士」、フェルナンデス選手は、ミドルネームの当て字と思われる「摩夜」でした。なお、離脱中のラロッカ選手は「羅六華」となる予定だったようです。
 また、最初の一巡では、打席に入った時に表示された映像で、選手たちが鎧兜をまとっていました。試合中に流れた「メイキング」によると、春先に全選手撮影したとの事でした。
 他にも、守備位置を日本語で言うとか、普段は英語風に読まれる選手紹介が普通の日本語で行われる、大石監督の事を「将軍」と呼ぶなどの演出もありました。
 あと、ベンチ入り選手の紹介が電光掲示板に流れたとき、両チームを「猛牛軍」「鴎軍」と表記していました。確かに、旗やマスコットはカモメですが、球団名のどこにもカモメはありません。まあ、「マリーンズ」を直訳すると「海兵隊」になってしまうので、これは確かに変です。とはいえ、別にチーム名に漢字は含まれているのですから、それを使って「千葉」にすればいいだけなのでは、と思いました。
 話は変わりますが、試合前・試合中に公式携帯サイトで回答する形式のクイズをやっていました。問題は、「14年前に当時神戸にあった球団がマジック1で本拠地4連戦を迎えたが、千葉に4タテを喫した。その時の監督は?」というもので、選択肢は「バレンタイン監督・山本功児監督・金田正一監督」でした。
 相手チームを率いる、バレンタイン監督をリスペクトした問題と言えるでしょう。この問題を作った球団スタッフには感心させられました。ロッテ球団の経営陣は、その人の爪の垢をせんじて飲んでもらいたいものだ、と思いました。あと、発表された結果で、正答率が五割ちょっと、と知らされ、驚きました。もうあれは「歴史」になっているのだな、と思いました。

 とまあ、前置きが長くなりましたが、そろそろ試合のほうに。先発は金子投手と小野投手でした。今日は不振の川崎投手とランビン選手が抹消され、代わりに高木投手と根元選手が昇格。早速根元選手は九番三塁でスタメン入りしていました。また、井口選手が五番、福浦選手が二番、竹原選手が七番、という「三角トレード?」が行われていました。
 金子投手は立ち上がりから安定しており、千葉打線は3回まで走者を出せません。一方、小野投手も初回に安打されるも三振ゲッツーで切り抜け、3回まで2安打と、投手戦の雰囲気になりました。
 しかし4回、1死から福浦選手が三遊間を抜く安打を放って初の出塁を果たすと、サブロー選手も安打して1・3塁となります。ここで大松選手が一二塁間を抜き、三連打で千葉が先制します。そしてなおも2死満塁としますが、ここは竹原選手が三振に倒れ、1点に終わります。
 先制点をもらった小野投手は、4・5回と三人で抑え、調子を上げていきます。
 そして6回表、1死からサブロー選手が安打すると、大松選手が右中間を抜く二塁打を放ち、2打席連続の打点を挙げます。さらに井口選手が三塁ベースに当たる幸運な安打を放って、橋本将選手が四球を選び、再び満塁とします。しかし、竹原選手がまたも三振し、バーナムJr選手が凡退と、これまた三者残塁に終わってしまいます。
 その裏、小野投手は、先頭打者をこの試合初の四球で歩かせます。そして犠打で進まれた後、大村選手に左前打を打たれます。しかし、ここで竹原選手が本塁に「ストライク」を投げてタッチアウト。打つほうではいい所がありませんでしたが、守備で大いに貢献しました。
 続く7回表、1死から西岡選手が久々に一二塁間へのプッシュバントを決めて出塁しますが、併殺でここも得点できません。
 その裏、小野投手は先頭のカブレラ選手を2-3から歩かせてしまいます。そして続くローズ選手の打球は、左翼席方面に。先述した通り、途中から球が見えなくなりましたが、右翼席の盛り上がりとローズ選手のガッツポーズから、同点2ランであることがわかりました。
 小野投手は続くフェルナンデス選手に安打されたところで降板。5安打2四球2失点という好投でしたが、一発に泣く形になりました。二度の満塁機で追加点が入っていれば勝ち投手になっていただけに、惜しまれる降板となりました。
 ここで二番手は内投手が上がります。そして、この危機を併殺などで凌ぎ、同点にとどめます。
 直後の8回表、先頭のサブロー選手が猛打賞となる二塁打で出塁します。続く、2安打2打点の大松選手は、捕手は座っていたものの、実質的には敬遠といった感じで歩かされます。そして1死後に橋本将選手は、外角の球を巧く流し打ちします。しかし、これを大引選手が好捕し、ライナーゲッツーに。ただでさえ、今季大阪ドーム7戦7敗なので、嫌な雰囲気が漂います。
 しかしその裏、続投した内投手は下位打線とはいえ、三者凡退に打ち取ります。今日の起用を見ると、現時点の中継ぎで一番信頼度が高いのでしょう。そして、見事に期待に応えました。
 そして9回裏、合併球団は二番手の香月投手が登板します。先頭の竹原選手は金子投手に3三振だっただけに、この交代は有難いと思ったのですが、ここも倒れます。さらにバーナムJr選手も倒れ、二死無死走者に。しかし、ここで途中の守備から入っていた塀内選手が左翼線を抜く二塁打を放ちます。そして、暴投で三塁に進んだ後、西岡選手が2-3からのボール球(本人談)を中前にはじき返し、勝ち越しに成功します。
 ここで合併球団は香月投手をあきらめ、レスター投手を起用。なお、表記は「礼星」でした、「レ」を「礼」と当て字し、「スター」を意訳したと思われます。
 それはともかく、2-3から福浦選手が放ったファウルボールが前田選手の股間を直撃、結局担架で運ばれる、というアクシデントがありました。
 その福浦選手が四球を選んだ後、サブロー選手が本日4安打目となる2点適時二塁打を左中間に放ちます。さらに続く大松選手が三安打かつ三打点目となる適時二塁打を右翼線に放ち、一挙に4点を勝ち越しました。
 その裏は、セーブがつかないながらも、シコースキー投手が登板。2死からローズ選手に二塁打されるも、最後は前の大阪ドームでサヨナラ打を打たれたフェルナンデス選手を抑え、6対2で千葉が勝ちました。
 これで今季8戦目でやっと大阪ドーム初勝利となっています。自分が来た試合で連敗が止まったというのは嬉しいものでした。
 観客数は2万2千5百人ほど。春先から撮影までして準備した企画を行った土曜のデーゲームである事を考えれば寂しい入りです。実際、応援団が陣取ったそれぞれの外野席および、内野自由席を除けば、かなり空席が目立ちました。特に、左翼を除いた5階席はガラガラでした。
 今回の企画の凝りようもそうですが、さまざまな企画やビジターチームのファンも意識した場内表示など、ファンサービスはかなりいいと思いました。それだけに、この寂しい入りは残念なものがありました。まあ、この球団の場合は、「一番上」に問題がありすぎるので、これも仕方ないのかもしれませんが・・・。

 ところで、同じ関西にいながら、中継すら見れなかった昨日の結果を簡単に。先発は山本投手と渡辺俊介投手でしたが、初回に渡辺俊投手が二死無走者から連打と連続四球による押し出しで先制され、さらに3回にも2失点します。
 打線は4回まで無走者に抑えられ、5回に四球と失策で無死1・3塁とするも牽制死などもあって0点に。続く6回にサブロー選手の適時でやっと1点を返すも反撃はこれだけ。
 終盤には継投陣が追加点を奪われ、終わって見れば1対5の完敗、という試合だったようです。観客数は2万2千4百人ほどでした。

2009年08月09日 01:12