2009年03月18日

モダン焼き

 職場の人たちとお好み焼き屋にいきました。お好み焼きのみならず、肉や魚などを、客が鉄板で焼く形式の店です。
 というわけで、お好み焼き・もんじゃ焼きを始め、色々なものを皆で焼いていました。ところが、出席者の一人がモダン焼きを頼むと、店主さんの雰囲気が変わりました。
 それまでは、頼まれた物を持ってきて、机に置いてすぐに去っていきました。ところが、今回は、お盆の上に、お好み焼きのタネ・豚肉・中華そば・卵を置いてやってきて、こちらに、「焼き方はご存じですか?」と尋ねるのです。

 「モダン焼き」は、通常の関西風お好み焼きに、中華そばを混ぜ込んだものだろう、と思っていただけに、この店主さんの発言には驚きました。
 しかし、そこまで言うのなら、と思い、「よく分からないのでお願いできますか?」と答えると、途端に店主さんから発せられる「気」が変わりました。
 そして、まずそれまで使っていたヘラについた焼きカスを丹念に落とすと、まず、豚肉だけを焼きます。そして、焼き上がった豚肉をタネと混ぜ、合わせた後、二つに分けて焼き始めました。
 その後、そばを焼いた後、二つの生地で挟み、最後に卵を焼いて生地の上に乗せ、完成と相成りました。
 生地の丸さと言い、具の均質さといい、手際と言い、見ている皆を感心させるもので、完成時には、「おお」という声が上がったほどでした。
 メニューを見ても、モダン焼きに特別の注記があるわけではありません。しかしながら、注文を受けてから完成させるまでの、店主さんの一連の行動には、「モダン焼きに対する自負」というものを強く感じました。手際や味同様、その店主さんの心意気に感心させられたとも言えます。
 思いつきで入った店ですが、貴重な経験をすることができました。

2009年03月18日 23:02